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3つも用法がある不定詞は、それぞれ使い方も訳し方も違うので、難しいと感じる人も多いかもしれません。また、第11回で扱った動名詞との使い分けも重要なポイントです。実はこの動名詞と不定詞の使い分け、一言で簡潔に説明できちゃうんですよ!苦手な人にもわかりやすく説明できるよう、丁寧にご説明していきたいと思います。
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<目次>
不定詞のつくり方
不定詞は「to+動詞の原形」 でつくります。訳し方は、不定詞のはたらきによって大きく3つに分類されます。
- 名詞的用法…「~すること」
- 形容詞的用法…「~するための」
- 副詞的用法…「~するために・~して」
それぞれの用法でどのように不定詞を使えば良いのか、詳しく見ていきましょう。
名詞的用法
名詞と同じ働きをするので、「名詞的用法」という名前がついています。動名詞と同じく「~すること」と訳します。
【例文】
To play tennis is fun.
「テニスをすることは楽しいです」
I want to play tennis.
「テニスがしたいです」
名詞のはたらきをするので、主語や目的語になることができます。また動名詞との書き換えは、のちほど詳しくご説明します。
形容詞的用法
名詞を説明するはたらきを持つので「形容詞的用法」と呼ばれます。「~するための・~すべき」と訳します。
【例文】
I want something to drink.
「私は何か飲むためのものがほしいです」
※to drinkがsomethingを詳しく説明しています。
She has a lot of work to do today.
「彼女は今日やるべき仕事がたくさんある」
※to doがworkを詳しく説明しています。
基本的には名詞の直後におかれるのが、形容詞的用法の特徴です。
ただし、somethingやanything, nothingなどの-thingがついた語の場合は特殊で、-thingとto不定詞の間に形容詞が入るパターンもあります。
I want something cold to drink.
「私は飲むための何か冷たいものが欲しい」
副詞的用法
動詞や形容詞を修飾するはたらきがあるので、「副詞的用法」と呼ばれます。「~するための・~して」と訳します。
【例文】
I went to the park to play soccer with my friends.
「私は友達とサッカーをするために公園へ行った」
※went「行った」理由を詳しく説明していますね。
I’m happy to see you.
「あなたに会えて嬉しいです」
※happyな理由を説明していますね。このように、感情を表す形容詞happy「嬉しい・幸せだ」、glad「嬉しい」、sad「悲しい」など単語のあとにくる場合は、感情の原因「~して」と訳しましょう。
文型でもご説明した通り、副詞は文の要素になりません。よって副詞的用法の不定詞部分がなくても、英文が完結しているのが特徴です。
不定詞の名詞的用法と動名詞の使い分け
不定詞の名詞的用法と動名詞は、どちらも「~すること」と訳しますよね。基本的には書き換えが可能ですが、使い分けなければいけない場合もあります。
実はこの使い分け、たった17文字で簡潔に説明することができます。
覚えておくべきなのは、「不定詞は未来志向、動名詞は過去志向」ということです。この一文で不定詞と動名詞の使い分けを完璧に、かつ簡潔に説明できています。
とは言え、詳しく説明しないことには理解が深まらないと思いますので、まずは不定詞と動名詞をどのように書き換えられるのかを見ていきましょう!
【例文】
Reading English books is important.
「英語の本を読むことは重要です」
=To read English books is important.
I like playing basketball.
「私はバスケットボールをするのが好きです」
=I like to play basketball.
このような形で、基本的には動名詞と不定詞の名詞的用法を書き換えることが可能です。
しかし、目的語の位置に動名詞や不定詞を持ってくる場合は注意が必要です。なぜなら、「動名詞を持ってこられない動詞」と「不定詞を持ってこられない動詞」が存在するからです。それぞれどのような動詞なのか、確認してみましょう。
動名詞ではなく不定詞を目的語にとる動詞
以下の動詞は、目的語に動名詞をとることができません。不定詞とセットで覚えてしまいましょう。
- want to ~「~したい」
- hope to ~「~することを望む」
- decide to ~「~することを決める」
- choose to ~「~することを選ぶ」
- plan to ~「~することを計画する」
- learn to ~「~するようになる」
ask+O+to ~「Oに~するよう頼む」
expect+O+to ~「Oが~することを期待する」
以上が代表的なものです。不定詞を目的語に取る場合はすべて「これからすること」を表します。よって「不定詞は未来志向
なのです!
【例文】
I hope to see you soon.
「すぐにあなたに会えることを望んでいます」
We decided to go hiking.
「私たちはハイキングに行くことを決めた」
※過去の時点で「これから行くことを決めた」ということなので、未来志向の不定詞を使います。
不定詞ではなく動名詞を目的語にとる動詞
以下の動詞は、目的語に不定詞をとることができません。動名詞とセットで覚えましょう!
- enjoy ~ing「~することを楽しむ」
- finish ~ing「~することを終える」
- give up ~ing「~することをあきらめる」
- stop ~ing「~することをやめる」
- avoid ~ing「~することを避ける」
- mind ~ing「~することを嫌がる」
以上が代表的なものです。動名詞を目的語に取る場合はすべて「すでにしたこと」や「日常的にしていること」を表します。「動名詞は過去志向」とご説明したのは、この理由からです。
【例文】
They enjoyed watching the game.
「彼らはその試合を観戦することを楽しんだ」
※すでに観戦していないと、楽しむことはできませんよね!
He finished writing the letter.
「彼はその手紙を書き終えた」
※すでに書いていたから、終えることができたのですね。
不定詞と動名詞で意味が変わる動詞
ほとんどの動詞は不定詞と動名詞両方を目的語にとることができます。しかし、上記でご説明した動詞に関しては、制限があることを覚えておいていただければと思います。
そしてさらに追加して覚えていただきたいのが、「不定詞と動名詞のどちらを目的語にとるかによって意味が変わる動詞」です。
ここでも合言葉は「不定詞は未来志向、動名詞は過去志向」です!
それでは、意味が変わる動詞も以下に一覧にしておくので、覚えてしまいましょう!
▼remember
remember ~ing「~したことを覚えている」
remember to ~「~することを覚えておく」
【例文】
I remember writing the letter.
「私はその手紙を書いたことを覚えています」
Remember to write the letter.
「その手紙を書くことを覚えておきなさい(=忘れるな)」
▼forget
forget ~ing「~したことを忘れる」
forget to ~「~することを忘れる」
【例文】
She forgot going to the party ten years ago.
「彼女は10年前のそのパーティに行ったことを忘れていました」
Don’t forget to call me at eight.
「8時に私に電話をするのを忘れないで」
▼try
try ~ing「ためしに~してみる」(実際にやった)
try to ~「~しようとする」(やったかどうかはわからない)
【例文】
He tried climbing the mountain.
「彼は試しにその山に登ってみた」
He tried to climb the mountain.
「彼はその山に登ろうとした」
上の3つの単語は、全て動名詞が過去志向、不定詞が未来志向の訳し方をしていますね!
ちなみに、上記の単語とは少し趣向が違うのですが、stopも一緒に確認しておきましょう。
▼stop
stop ~ing「~することをやめる」
stop to ~「~するために立ち止まる」(副詞的用法)
stopの場合、名詞的用法ではなく副詞的用法の訳し方になりますので、当然訳もまったく違いますね。
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まとめ
不定詞の3用法の使い方は、しっかり整理して覚えておきましょう!それぞれの使い方さえわかっていれば、不定詞の文に直面しても、それが何用法なのか見極められるはずです。また、不定詞と動名詞の使い分けは「不定詞は未来志向、動名詞は過去志向」ということをしっかりおさえておきましょう!
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