promotion
日本の英語教育ではあまり重点的に指導されない傾向にある「フォニックス」。
実は、フォニックスをきちんと学ぶと、英語を学習していくうえで様々なメリットを教授することが出来ます。
今回は、元英会話講師でフォニックスの指導経験を持つ筆者が、フォニックスを学ぶことのメリットや、フォニックスの覚え方、フォニックスを学べるおすすめ教材やアプリを紹介していきたいと思います。
英語の発音が苦手で悩んでいる学習者さんや、子どもに綺麗な英語の発音を習得してほしいと考える親御さんは、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
EIKARAは「あなたの英語学習の手助けになりますように」という願いが込められた総合英語ポータルサイトです。重要英文法(「やり直し中学英語文法」)の解説から、TOEIC対策、留学情報まで、英語に関する幅広い情報を日々発信しています。編集長を務めるのは自身も留学経験のある松原哲平。読者の皆さんの役に立つ情報を発信できるよう監修を務めています。詳しくはEIKARA会社概要/監修者情報をご覧ください。
<目次>
フォニックスとは
まずはフォニックスとは一体何なのか、簡潔に説明します。
日本の学校で子供たちがまず「あいうえお」の50音を習うように、英語圏の子供たちはまず最初にフォニックスを教わります。
筆者が勤めていた英会話スクールでも、英語を学び始めたばかりの小学生低学年のお子さんには、まずフォニックスの指導を行っていました。
フォニックスとは、分かりやすいように一言で簡単に言ってしまうと、英語の発音ルールのことです。
(英語のアルファベットと音の関係性を学ぶための学習法のことを指す時もあります。)
実はこのフォニックスを学ぶことで、発音だけでなく英語の4技能を満遍なく伸ばすことが出来ます。
フォニックスと発音記号の違い
発音と言えば、フォニックスについては知らなかったけど、発音記号があることは知っていたという方もいるのではないかと思います。
フォニックスと発音記号は、どちらも発音に関するルールですが、全く別物です。
混同しやすいため、フォニックスと発音記号の違いについて整理しておきたいと思います。
冒頭でも紹介した通り、フォニックスとは、英語の綴りと発音を結びつけるルールのことです。
例えば、アルファベットのAは「エー」と読みますが、英語の音では「ア」と読みます。(カタカナは参考です。)
アルファベットは全部で26個しかないため、フォニックスを覚えるのは比較的簡単であるにも関わらず、だいたい70〜75%もの英単語の発音がスペルを見るだけで分かるようになると言われています。
一方で発音記号は、言語の発音を忠実に再現するための符号のことで、ほとんどの英語辞書や英単語帳に記載されています。
発音記号に比べてフォニックスは覚えるのが簡単である一方で、例外が多く存在します。
発音記号には例外が存在しないため、発音記号の通りに読めば確実に正しく単語を発音することが出来ます。
フォニックスと発音記号のどちらを学ぶべきかは、指導者によって意見が様々です。
どちらも学ぶことが出来ればベストではありますが、向き不向きもあるため両方学んでみてしっくり来たほうを中心的に学ぶのが良いでしょう。
ただし、小さな子供や英語初心者が発音記号を覚えようとしても、数が多く取っつきにくいことから挫折してしまうケースは少なくありません。
そのため、基本的にはまずフォニックスを学んで英語の音に慣れていくことを推奨しています。
英語の発音向上にフォニックスは必要?
フォニックスを学ぶことで良い効果が多くあることは確かですが、「フォニックスを覚えることは必須なの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
フォニックスを学び、アルファベットが持つ音を一つ一つ正しく理解することで、ネイティブが話す英語に近い発音が出来るようになります。
一方でフォニックスを学ばなくても、それなりに上手な英語の発音を身につける方も多くいます。
そのため、フォニックスの学習は絶対に必要という訳ではありませんし、子供の頃にフォニックスを学ばなかったからといって、発音の習得が手遅れになるといったこともありません。
しかし、英語をこれから学ぶお子さんや、英語初心者の方は初期段階にフォニックスを学んで体系的に英語の発音ルールを学んだ方が、早く英語の総合力を伸ばせる可能性が大きいです。
もとより、フォニックスは英語の発音が向上すること以上に、他の側面でのメリットも数多くあります。
子供の頃にフォニックスを学ばなかった大人の学習者の方でも、なるべく早い段階で一通りフォニックスを学んでおくと、その後の英語学習が効率よくなると考えられます。
フォニックスを覚える3つの主なメリット
では具体的に、フォニックスを覚えることでどんなメリットがあるのか、教授できる主なメリットを3つ紹介していきます。
英語の発音が得意になる
フォニックスを学ぶことによるメリットの一つは、まずは前述にもあるとおり、英語の発音が得意になること。
個々のアルファベットの音を理解することで、英語らしい発音を身につけることが出来ます。
また、英語の発音が上手くできるようになることで、リスニングのスキルも上達しやすくなります。
スペリングを見るだけで単語を発音出来るようになる
フォニックスを覚えると、スピーキングにおいてだけでなく、英語の読み書きも得意になるという大きなメリットがあります。
フォニックスを習得していれば、初めて出会う英単語であってもスペルを見るだけで正しく発音することが出来ます。
約70%の英単語がフォニックスのルールを知ることで読めるようになるとも言われています。
そうすると、発音記号の確認をしたり、先生に発音を確認する必要がなくなるため、リーディング学習がスムーズに進みやすくなります。
音から推測して英単語を綴れるようになる
フォニックスを覚えることによる効果のもう一つとして、聞こえた英語の音をもとに、だいたいのスペリングを推測する力が身につきます。
なので、いちいち辞書をひいてスペリングを確認しなくても、自分の力で正しく英語を書けるようになります。
フォニックスを習得した学習者は、アルファベットの綴りと音の関係性を理解しているため、「綴り→発音」が出来るだけでなくその反対の「発音→綴り」も行えるということです。
フォニックスの覚え方
では、どのようにしてフォニックスを覚えるのがいいのか、お話ししていきます。
フォニックスでは、文字の綴りと音の関係性を認識しなければいけないので、音の確認も必ず一緒に行うことが重要です。
CD付きの教材か、動画・歌などで音を聞きながら学んでいきましょう。
英会話スクールなどでは、歌に合わせて学んだり、アルファベットが書いてあるカードを使ってゲームをしながらフォニックスを教えていくことが多いです。
小さいお子さんに教える時は、親御さんが一緒に遊んであげることで楽しいと感じてもらうことが大切です。
カードゲームの他にも、フォニックス教材には色々なものがありますが、年代や好みに応じて自分に合った方法を選んでみてください。
大人の学習者の場合は、紙の教材を読んで基礎からしっかり理解するのもおすすめです。
いずれにしても、一度だけでなくある程度定着してきた実感が湧くまで、毎日繰り返し学習していくことがポイントです。
具体的にどういった教材や動画を使って学習するのがおすすめなのか、この後に続けて紹介していくので、気になるものを見つけて活用してみてくださいね。
フォニックスを学べるおすすめ教材3選
では早速、フォニックスを学んでいくのにおすすめの教材を3つ紹介していきます。
AGOフォニックス 3レベル ボックスセット
楽しく遊びながらフォニックスを学べる、子ども向けのカードゲームです。
こちらは、レベル1〜3までの3レベルのカードがセットになっている商品です。
iOSとAndroidに対応している専用のアプリがあり、音声を聞いて発音を確認しながら学習できます。
ボックスセットを購入するとアプリを無料でインストールできるコードがついてきます。
セットではなく単品でも販売されているので、英語に初めて挑戦するお子さんなどの場合は、レベル1のカードを単品で購入してもいいかもしれません。
カードを使った遊び方は簡単でUNOと同じようなルールなので、親御さんからお子さんに遊び方を教えやすいのも嬉しいですね。
CD付き 正しい発音が身につく!書いて覚えるはじめてのフォニックス
子ども向けのフォニックス教材が多く目に付くなか、大人向けに制作された数少ないフォニックスの良書です。
フォニックスについて、初心者にも分かりやすいように基礎から丁寧に解説しています。
筆者は「フォニックス英会話アカデミー」を設立し、フォニックスに特化した英語指導を行っているご夫婦です。
本書は、これまで自己流で英語を発音してきた大人の方の発音矯正にも大変おすすめです。
発音に自信のない方、ネイティブのような英語の発音に近づきたい方は是非本書で今一度発音の学習をしてみてください。
Phonics for Kindergarten: Home Workbooks Gold Star Edition
幼児向けのカラフルな洋書のペーパーバックです。
簡単なパズルやゲームなどのエクササイズを解きながら、フォニックスを学ぶことが出来ます。
幼児向けとはいえ、洋書なので当然全て英語で書かれているため、お子さんに使わせる場合は基本的な英語がわかる親御さんにおすすめです。
ネイティブの子どもがフォニックスを覚える要領により近い感覚で英語を学ぶなら本書がおすすめです。
フォニックスを覚えられるおすすめの動画・歌3選
フォニックスを学べる良書は沢山ありますが、どちらかと言うと、フォニックスは動画や歌を使って覚える方がよりおすすめです。
体系的にきちんと英語の発音ルールを学びたい人は、まず上で紹介しているフォニックス教材を一読して、その後に動画や歌で追加のインプットを行うとより定着するでしょう。
ここからは、フォニックスを学べるおすすめの動画・歌を、3つに厳選して紹介していきたいと思います。
書籍にもなっている「あいうえおフォニックス」の動画です。
一つの動画につき一文字を丁寧に解説してくれています。
また、各動画の概要欄では、音を覚えるポイントを毎回説明していて、そちらもとても参考になる内容なので是非概要欄もチェックしてみてください。
大人にも子どもにもおすすめの動画です。
子供向け教育ブランドの「ピンキッツ」による動画です。
動画では、動物の名前を表す英単語を使ってフォニックスを学ぶことが出来ます。
フォニックスを学ぶと同時に、動物の名前を英語で覚えることができて一石二鳥。
特に動物が好きなお子さんなら、楽しく視聴できること間違いなしです。
英語力0の状態から独自の学習法で英語を勉強し、たった5ヶ月で英語が話せるようになったという重森ちぐささんの動画です。
A〜Zの正しい発音を一つずつ丁寧に解説してくれています。
発音する際の口の開け方を確認することが出来るので、真似しながら発音を学べます。
紙の教材で上手く発音を習得できなかった方は必見です。
フォニックスを学べるおすすめアプリ2選
続いて、フォニックスを学べるスマホアプリを2つ紹介します。
アプリを使えばスマホ一つで気軽に発音の学習が出来るので、是非活用してみてください。
フォニックスファンデーション – ABCサウンド
小さなお子さんでも直感的に使うことができる、おすすめの無料アプリです。
イラストと発音付きでアルファベットをリズムに合わせて学習することが出来ます。
シンプルで難しい説明がないので、お子さん一人でも学習出来る作りになっています。
英語発音速成攻略
初めて英語の発音を学ぶお子さんや、フォニックスを一から学びたい大人にもおすすめの無料アプリ。
単語の発音を聞いて、スペルのタイピング練習が行えるスペル練習機能もついています。
お子さんと一緒に楽しく発音を学べるおすすめアプリです。
まとめ
今回は、元英会話講師の筆者がフォニックスを学ぶメリットや、フォニックス学習におすすめの書籍教材、動画、アプリを紹介しました。
体系的に基礎から英語の発音ルールを学びたい人には、紙の教材を使った学習がおすすめです。
これから英語学習をスタートするお子さんには、カードゲームで遊びながら楽しく学習するのもおすすめ。
口の動きをしっかり確認したい人にはYouTubeの動画、スマホで気軽に学習したい人にはアプリを使った学習が良いでしょう。
いずれにしても、ご自身が楽しく継続して行えそうな学習方法を選んでみてください。