PR
EIKARAは「あなたの英語学習の手助けになりますように」という願いが込められた総合英語ポータルサイトです。重要英文法(「やり直し中学英語文法」)の解説から、TOEIC対策、留学情報まで、英語に関する幅広い情報を日々発信しています。編集長を務めるのは自身も留学経験のある松原哲平。読者の皆さんの役に立つ情報を発信できるよう監修を務めています。詳しくはEIKARA会社概要/監修者情報をご覧ください。
<目次>
apply forの意味や発音・アクセント
apply forの意味
applyという単語には実に様々な意味があります。「求める」「適用する/される」「利用する・生かす」「当てる」「塗る」「当てはまる」「申し込む」「応募する」「申請する」などが代表的なもので、このうち日本の英語学習者が最もよく知る意味は「申し込む」「応募する」「申請する」でしょう。このapplyにforという前置詞を付けて、その後ろに申し込んだり応募する対象となる職や、資格などの許可を与えられるもの、入会や所属することを望むものなどを置くことで、「~に申し込む/応募する/申請する」という意味になります。
通常、正式な手続きを踏んでリクエストを申し込むことに使われ、カジュアルに知人を介して、あるいは口頭で届出や要望を伝えたり、インターネット上でワンクリックで済むようなシンプルなプロセスで何かを得ることができるケースでは、apply forは使われません。
apply forの発音・アクセント
apply forは、アプラァィ・フォァと発音します。まずapplyの部分は、アとプは軽く短く、特にプは母音のウを発音しないよう気を付けてpの音だけ発音し、ラはしっかり舌先を上の前歯の裏に押し付けて強く、イは口の形を少し変えるだけでほとんど音は出しません。forは、まずfで下唇を上の前歯で噛むことを忘れずに空気を前歯とした唇の間から押し出すようにフォと発音し、最後はフォーと伸ばしたりフォウ、フォオ、フォアと母音で終わるのではなく、舌を少し丸めてこもったような音になるrで終わるよう、口の中で舌の位置を動かします。アクセントはラの音にしっかりと置いて長めに発音するのがコツです。
apply forを使う時の具体的なシーンや含まれるニュアンス
職に応募する
最もよく使われるのが、ある職を得ることを目的として、あるいは職場の中で違うポジションの職に就くことを目的として、応募・志願する場合です。I’m applying for a sales manager at ABC company.「ABC社のセールスマネジャー職に応募するつもりです」というように、会社という組織にではなく、就きたい職・ポジションを求めて応募する、という使い方をします。
入会・チケットなどの購入や取得に応募する・申し込む
クレジットカードやメンバーシップ、特典やプログラムなどのように、利用規約や入会規約があるようなものに入会を申し込む場合にも、apply for a mirage program「マイレージプログラムに申し込む」のようにapply forが使われます。また、有料・無料に関わらず、必要事項の記入や抽選への応募のように「申し込み」のプロセスを経て、インターネットや郵送などで購入・取得に至らなければならないようなチケット・物品・権利などについても、apply forを使うことがあります。よくあるものとしては、応募して抽選で購入者が決まるオリンピックのチケットや、ロト、TOEICなどのテストや資格試験など、必要事項の記入が必須であるものです。
許可・措置などを申請する
海外に行く際に必要なビザや渡航認証、ビジネスに必要な様々な許可証・免許、仕事で取得できる長期休暇、授業料・公共料金などの減免措置など、ある権利を得たり、資格を与えられるために申請する場合にも、主にapply forが使われます。例:If you want to take a vacation for two weeks or longer, you will need to apply for a leave of vacation in writing. 「2週間を超える休暇を希望する場合は、書面によって休暇願を申請する必要があります」
apply forに関してよくある勘違い
apply を使った熟語でよく混同されるのが、apply forと apply toです。どちらも訳は「~に応募する・申し込む・申請する・出願する」であり、使用するシチュエーションはほとんど同じです。
明確な違いは、apply for ~ は「物」「事がら」を求めて応募や申請などのアクションを起こすことであり、apply to ~ は「会社」や「学校」などに所属することを希望する組織に対して応募や出願をする、ということです。
apply to ~ にはほかにも用法があり、to 不定詞、つまりtoの後に目的となる動詞を置いて、「~するために申請・申し込み・出願をする」という意味になります。また、apply oneself to ~ で、目的やタスクをやり遂げたりゴールに到達するために努力をする、という文を作ることができます。例えば、If you put yourself to your schoolwork, you’d get much better grades.「もし学校の勉強をもっと頑張るなら、きっともっと良い成績が取れるだろう」というような使い方です。
さらに、冒頭に述べたようにapplyには「申し込む」やそれに似た意味の他にも「適用する」「塗る」など様々な意味があり、こうした意味でapplyを使い「~に」という目的語が伴う場合は、ほとんどtoを使います。
apply forをビジネスやメールでも使える表現に言い換えると?
apply forは口語でも頻繁に使われますが、決してカジュアルすぎる言葉ではなく、ビジネスシーンでもよく使われますし、政府関係書類などの申請方法を記載した書面などにも見ることができますので、基本的には仕事の場で話す時も仕事のメールでも使ってかまいません。
より具体的にプロセスを示すためにmake an application for ~(申請する対象) to …(提出先)、またはsubmit an application for ~ to …のように話したりメールに書いたりすると、よりプロフェッショナルさが増す印象にはなります。
なお、会社の内部や取引先から行動の「許可を得る」という意味で「申請する」と言う場合、apply forを使わず「要望する・要請する」という意味のrequestを使うことがあり、このケースではrequest approval from ~「~から許可を得るための申請する」という言い方をすると良いでしょう。
apply forを活用した例文・会話文
A: What do you want to do after you graduate?
卒業したらどうしたいんだ?
B: I’m studying finance so I’d like to be an accountant.
今財務を勉強してるから、会計士になりたいんだよなぁ。
A: Well, if you want to apply for accountant jobs, it’s better to have an MBA.
ふうん、会計職に就きたいんだったら、MBA持ってたほうがいいよ。
B Yeah, that’s what I’m trying to do now.
うん、それを今目指してるところ。
A: Hi, I’d like to sign up for the internship program during summer vacation.
あの、夏季休暇中のインターンシップ・プログラムに参加したいんですけど。
B: OK, here is an application form for the program. Fill it out and come back to apply in person. Here are important things to keep in mind when applying for an internship. Please read this carefully before you decide which company you want to apply to.
オーケー、これがプログラムへの申し込み用紙よ。記入してからまたここに来て申し込んで。これにインターンシップ申し込みに際して頭に入れておくべき重要なことが書いてあるから、どの会社に応募するか決める前によく読んでおいてね。
A: Thank you. Can I apply for a special training for an internship with this application?
ありがとう。インターンシップに必要なトレーニングにも、この申請用紙で申し込めますか?
B: No, you’ll need to go to this website on the brochure and apply online.
いいえ、このリーフレットにあるウェブサイトでオンラインで申し込まなきゃいけないの。
A: OK, thanks a lot.
わかりました。どうもありがとう。
A: Hello, I need to apply for a student visa to study in Canada. What do I need to do?
こんにちは。カナダに留学するために学生ビザを申請しなきゃいけないんだけど、どうしたらいいのかしら?
B: You can fill out this form and submit it with supporting documents in person or by mail.
この申請用紙に記入して、添付書類と一緒に窓口か郵送で申請できるよ。
A: You’ve been looking for a job, right? Any luck?
ずっと仕事探してたんだっけね。調子はどう?
B: I’ve applied to many companies but I haven’t got even one interview yet. I might have to apply for unemployment benefits or a bank loan to pay rent and bills….
たくさんの会社に応募したけど、まだ一つも面接の機会もないんだ。家賃や生活費の支払いのために、失業保険を申請するか銀行ローンを申し込まなきゃいけないかもなぁ。
apply forを応用した表現まとめ
apply for a job/position as ~
「~の仕事/職に応募する」という言い方です。apply for a job as a copywriter「コピーライターの仕事に応募する」のように、asの後に職種を置きます。
make an application for ~
applicationはapplyの名詞形である「申請」「申請書」という意味で、このフレーズはapply for と同じ意味で使われます。
file an application for ~
fileには「届け出る」「出願する」という意味があり、file an applicationで「申請する」というフレーズになります。
apply for Chiltern Hundreds
仕事や、議員などが自分のポストを去ることを表します。特にイギリスでは、下院銀辞職願を提出することをこう表現します。
apply within
通常、スーパーマーケットなどの小売店やカフェなどの飲食店で求人が出されている場合に、店頭で直接その職に応募することを指します。こうした店ではしばしば、店内やガラス窓などに”We’re hiring. Apply within.”「スタッフ募集中。店頭で応募を」というシンプルな貼り紙やサインを掲示し募集を図っています。
apply oneself
toやforなどの前置詞を伴わずにapply herselfのように使う場合、一般的に何かを成すために大きな努力することを指します。例:If we apply ourselves, we’ll find success.「一生けんめい努力すればきっと成功する」
apply forとrequestのニュアンスの違い・使い分け方
requestには、「要望する」「依頼する」という使い方だけではなく、「願い出る」「申請する」という意味もあり、apply forと同じようなシチュエーションで使われることがあります。
違いの一つは、requestはapply forよりもカジュアルで略式になることが多い、ということです。もちろん正式な要請、要望、申請にもrequestを使うことがありますが、in writing「書面で」やwith a form「書類(への記入)によって」という言葉を付け足さなければ、はっきりと正式なプロセスを経てのものなのか、口頭でカジュアルにおこなわれているものなのかが明確になりません。一方apply forには、特に補足しなくても「正式な手続きによる申請」であるというニュアンスが含まれています。
もう一つの違いは、requestにはやはり根本に「要望」「お願い」という意味があっての「申請する」になるので、「要請する」「依頼する」というニュアンスが強く、事務的な申請手続きというだけでなく、自分にとって良い結果となるよう相手の好意や善意を期待して許可を願い出るような意味合いにも使われます。
また、applyが持つ「応募する」「出願する」「(厳密な審査や試験が必要な)許可・免許の取得を申請する」という意味はrequestには含まれませんので、職に就くための応募や、学校などの入学や受験の申し込み、資格試験や免許の申請・受験申し込みのようなシチュエーションではrequestは使われません。
apply forの類似表現一覧
register for
「登録する」という意味のregisterは、許可などを申請した後か、審査や試験を経ず登録ができるようなものに使われますが、「登録手続きをする」という意味で「申請する」と訳されることがあります。
sign up for
signは「署名する」という意味で、sign up for ~で「署名によって参加や契約などを申し込む」というニュアンスになります。手続きするという行為よりも、参加・契約申し込みの意思表示から完了・締結までの一連のプロセスを含んでおり、registerに近い表現です。
file
主に裁判所や役所などの公的機関に「申告する」「申請する」場合、特にしばしば「申し立てる」という意味で使われます。file a bankruptcy case「破産申告をする」、file a claim for damages 「損害賠償を申請する/請求する」などのように、法的手続きでよく聞かれる言葉です。また、file ~(苦情・書類・要望など) with …(機関や制度など)、という構文で、…に~を申告する/提出するという意味になります。I filed a car accident with an insurance company.「交通事故を保険会社に申告しました」というような使い方がみられます。
ask someone for ~
askはrequestよりもさらに効力が弱い「依頼」「お願い」です。ask someone for ~で、「(人に)~をお願いする」となります。I need to ask you for a contribution.「あなたに寄付のお願いをしなければならない」のように使われます。
ask someone to ~
上記と同じく人に物事を頼むフレーズですが、toの後には動詞を置き、「(人に)~してくれるよう頼む」という意味で使われます。
appeal
裁判でよく使われる「上告する」「控訴する」という法律用語としてよく知られている言葉ですが「訴え」「要請」「認可や変更の要求」という意味があります。appeal for retrial「再審請求をapply for a retrialと言い換えることもできます。
join
「参加する」「仲間に加わる」という意味のjoinは、「入会する」というシチュエーションでもよく使います。しかし「申請する」という意味までは含んでおらず、厳密には意味が違うのですが「~に入会申し込みしたいんですけど」という日本語を英語に訳する場合、I’d like to apply for ~、またはI’d like to join ~と違う表現によって同じ希望を伝えることができるため、覚えておくと便利です。
【番外編】apply forの表現が使われている曲を紹介!
「Your Life Will Never Dull or Your Money Back」by Listener
2002年から活動するアメリカのスポークン・ワード・ロックバンド、Listenerが2007年にリリースした5枚目のアルバム「Return to Struggleville」に収録されているこの曲は、たいくつな人生や理不尽で思うようにならない世の中への不満、なんとかその状況を抜け出そうとあがく希望と焦りを、独特の世界観と言葉で表しています。シンプルな英語で書かれているものの比喩や抽象的な表現が多く、apply forが使われている部分も比喩的表現です。if you’re not happy, apply for a refund.は、直訳すると「満足してなければ返金を請求しろ」という意味です。その後にはand try it all again.と続きます。商品を購入して不満があれば返品して返金を求めよう、という日常の行動を歌った歌詞には、「今手にしている人生に満足していないのなら、取り替えてまたやり直そう」という人生におけるメッセージが込められているようです。
まとめ
日本語でも「申し込む」「申請する」「申告する」というように、許可を求めたり入会や制度など申し込みをする場合の表現は、何をどこにどのような形で申し込むのかにより違ってきます。同じく英語でも、これらの表現はシチュエーションに応じて使い分けをする必要があります。
日本語の表現がそのままイコールで英語の表現、というわけではなく、それぞれの訳がオーバーラップしている部分もあり、機械的に覚えるには少し複雑です。「日本語のこの言葉は英語ではこれ」、という覚え方ではなく、「こういうシチュエーションでこういうアクションを起こす時に使うのはこの英語フレーズ」というように、日本語→英語訳ではなく英語を英語として覚える習慣をつけることをおすすめします。