each otherの意味や答え方は?具体的なシーンや例文、類似表現を解説!

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<目次>

each otherの意味や発音・アクセント

each otherの意味

「それぞれの」という形容詞であり、「個々」「めいめい」という代名詞、そして「各々」「それぞれ」という副詞の役割も持つeachと、「他の」「もう一方の」という形容詞であり「(対を成すものの)片方、他方」という名詞でもあるotherを組み合わせてeach otherとすると、「お互い」という代名詞になります。日本語では「お互いに」という表現が様々な意味で多用され、そのうち「お互いに」と動詞を修飾する副詞的用法として使うことがしばしばあるため、英語のeach otherも「お互いに」という副詞であるように思われるかもしれませんが、副詞ではありません。なお、代名詞ではありますが主語になることはできません。

また、「お互い」というと2人をイメージしがちですが、2人以上のグループ、4、5人でも100人であっても、そのグループ内でお互い何かをし合う場合にはeach otherを使うことができます。

このように、簡単なようでいて、実は日本語の感覚で考えると意外に扱いが難しい様に思えてくる、英文法の基本を考えさせてくれる言葉です。

each otherの発音・アクセント

each otherは短い言葉ですが、注意しないとカタカナ発音になってしまうので、それぞれの注意ポイントをしっかり意識して発音しましょう。

最初のeaの発音は、通常口を横に強めに引いてイーッと発音するのですが、次にchが来るので、その準備としてchの発音の際の口の形で軽く短くイィと発します。次のchは、上下の歯を軽く合わせ、口は小さな丸を形作るイメージで少し突き出し、舌打ちに近い音を発します。母音はありませんので、カタカナのチ(chi)にならないよう、無声音であることを意識して空気だけで音を作りましょう。最後のotherはthに注意です。oはchの口の形のまま合わせていた歯を離してアとオの中間の音になるよう意識し、thは舌先を上下の前歯で軽く噛むか、上の前歯で舌先をこするような感覚でしっかり濁音を作ります。最後のerと伸ばす部分は、ザーと口を開いてしまうのではなく、thの音で作った口の形はそのままに、歯の間に位置していた舌先を奥に引っ込めつつrの音を出します。each otherの音を通してカタカナで書くとすると、イィチァダァというイメージになります。




each otherを使う時の具体的なシーンや含まれるニュアンス

お互いを【前置詞を必要としない場合】

最もわかりやすい使い方は、他動詞の後に目的語である「お互いを」という意味でeach otherを置く形です。We know each other.「私たちはお互いを知っている」となります。訳す時は、日本語でしっくりくる形で「お互いに知っている」と訳しても良いのですが、each otherは代名詞なので、I know her.「私は彼女を知っている」と同じ文法だと考えると良いでしょう。

youやherなどの代名詞が前置詞を伴わずダイレクトに後に続けることができるのとまったく同じで、目的語が必要な他動詞は、each otherも前置詞なしで置いて良いということです。They love each other.「彼らはお互いを愛している」、They passed by each other.「彼らはお互いすれ違った(お互いを通り過ぎた)」などもそうですね。

お互いを、お互いの【前置詞を必要とする場合】

They looked at each other.「彼らはお互いを見た」、We sat next to each other「私たちは隣同士に座った(お互いの隣に座った)」というように、look atやnext toなどフレーズとして必ず前置詞がセットになっているものは、each otherを使う場合も省略したりせずそのまま使います。

お互いと【必ず前置詞を必要とする】

日本語で考えると「お互いが会った」という意味でThey met each other.という文が成り立ちそうですが、こうした自動詞の目的語としてeach otherを使う時は、They met with each other.のように前置詞を必要とします。「お互いと会った」という考え方です。

他の例を挙げると、We talked to each other.またはWe talked with each other.と、前置詞のtoまたはwithを置いて「私たちはお互いと話した」という意味になります。これも、日本語では「私たちはお互いに話した」と訳したいところですが、英語の意味としてはあくまでも「お互い」という代名詞、you「あなた」やshe「彼女」と同じ扱いですので、We talked each other.ではなく、前置詞が必要です。toは「~に(対して)」という意味であり、日本語で言うところの「お互いに話し合った」の「に」ではなく、「相手に話しかけた」というニュアンスの「に」です。withはシンプルに「~と」という意味でとらえてもかまいません。

日本語で副詞的な意味の「お互い」「お互いに」と言いたい場合は、「お互いに対して」や「お互いと」に言い換えてもその意図は変わらないかを考え、OKならtoやwithと共にeach otherを使いましょう。

お互いの【所有格】

each otherは代名詞なので、所有格の形をとることもあります。each other’sと表記し、「お互い(それぞれ)の相手の~」という意味になります。They have to answer each other’s questions.「彼らはお互いの質問に答え合わなければならない」というように、目的語が可算名詞であれば複数形にします。




each otherに関してよくある勘違い

日本語の「お互いに」という、副詞的な用法では英語では使えないということは前にご説明しました。これも起こりやすい間違いだったわけですが、もう一つ、日本語の感覚だとつかみにくいニュアンスがあります。日本語では「それぞれが」「双方が」「皆が」という意味でも「お互いが」という言葉を使うことがあるのですが、この意味では英語ではeach otherを使わないことが多くなる、ということも注意が必要です。

話し合いなどの結果、「お互いが満足できる結果になった」というようなシチュエーションの場合、日本語の文をそのまま直訳して英文にしてしまうと、We reached the outcome that we satisfies each other.としてしまうかもしれません。ところが、outcome「結果」にかかる修飾節のthat we satisfy each otherは、「私たちがお互い満足する」というニュアンスにはなりません。satisfyは目的語を必要とする「満足させる」という意味の他動詞で、通常satisfyの後には満足させる相手・対象を置きます。satisfy each otherは「お互いを満足させる」という意味で成り立つように思えますが、主語はoutcome「結果」であり、目的語にあたるかに見えるeach other「お互い」は、実はここでは目的語になり得ません。each otherの主語はその「お互い」を構成する人、We「私たち」でなければならないので、ここで構文が崩れてしまうのです。

文法的に解釈すると頭が混乱しそうですが、例えばWe know each otherはWe「私たち」が目的語であるeach other「お互い」を知っている、という意味でスッキリまとまります。前述の文で修飾節に注目すると、outcome that satisfies each otherで主語となるoutcome(thatは間接詞)には、目的語のように見えるeach otherの「人」の要素がなく、ちぐはぐな印象を受けることに気づくでしょう。

最終的にこのoutcomeを主語にした文の目的語は、「お互い」という双方向のeach otherではなく、「それぞれ個々に私たちを」というeach of them、または「私たち両方を」を示すboth of usとしなければ意味が通らないのです。

each otherを「お互いに」という副詞と勘違いして使用すると、このような文法的混乱、それに気づかないとしても妙に感覚的にスッキリしないという違和感を生じさせることがあり、結局は意味不明、あるいはカタコトのような不思議な英文になってしまいます。

こういう場合はいっそ文の構造を変え、mutually「共通に」「双方に」という意味での「お互いに」というニュアンスを持つ言葉を使い、We reached a mutually satisfying outcome.「私たちは双方が満足する結果に到達した」という言い方をすると良いでしょう。




each otherをビジネスやメールでも使える表現に言い換えると?

each otherは特段にカジュアルな表現というわけではないので、言葉として適切なシチュエーションであれば使ってもかまいませんが、よりフォーマルな印象を与えたい場合や、メールや文書を書く場合は、each otherのかわりにone anotherを使っても良いでしょう。意味はほぼ同じです。

また、言葉そのもののとしての問題ではなく、ビジネスシーンで取引先など仕事相手と話す姿勢として、「個々それぞれ」というニュアンスがあるeach otherよりも、表現よりもfor both of us「両者にとって」for all of us「私たちすべてにとって」、または、前の項で例文に使ったmutually「共通に」のように、皆が同じ船に乗っている仲間であるという連帯感を意識づけるという観点で表現を選ぶほうが好ましいと言えます。

mutuallyは「互いに」「相互に」という意味もある副詞で、日本語でしばしば副詞的に使う「お互いに」のニュアンスに近いので使いやすい言葉です。mutually acceptable deal「相互に受諾し得る(納得のいく)取引l」のように形容詞を修飾する副詞として使ったり、mutually agree to ~「~することにお互い合意する」というように動詞を修飾する副詞として使うことができます。

同じく連帯感を強調する目的で、win-winという元から「お互い」「双方」「全員」が「得をする」というニュアンスが含まれている言葉を用いることで、あえて「誰と誰が」という必要がなく「私たちみんな一緒に」という気持ちを込めることもあります。




each otherを活用した例文・会話文

A: Can I ask you how you met your husband?

旦那さんとどうやって知り合ったか聞いていい?

B: It’s just an ordinary boring story. He was a regular customer of a café I was working at when I was a student.

ただのよくあるつまらない話よ。彼は、私が学生の頃働いていたカフェの常連だったの。

A: OK, so who made a move first?

へえ、で、どっちが先に行動をおこしたの?

B: Well, we both knew we fell for each other at the moment he walked in.

いや、彼が店に入ってきた瞬間、お互い惹かれ合ってるのが分かったのよね。

A: That sounds romantic, actually.

それってけっこうロマンティックじゃん!

A: I heard you and Keith used to compete against each other all the time.

あなたとキースって、昔は常に何においても張り合ってたんでしょ。

B: Yeah, when we were in school, we both had a major crash on this cute girl. When she sneezed, we were falling over each other to pass her a tissue.

ああ、学生の頃、二人とも一人の可愛い子に惚れててさ。彼女がくしゃみしたら、彼女に渡すためのティッシュを先を争って取り合ったものさ。

A: That’s cute. And now you two run a company together.

かわいいわね。それで、今は二人で会社を経営してるのんだもんね。

B: Even though we were rivals, we also respect each other and we’re still learning from each other.

ライバル同士だったけど、尊敬しあってたし今でもお互いから学び合ってるよ。

each otherを応用した表現まとめ

between each other

「互いに~し合う」と、通常二人・二者の間で情報やメッセージのやりとりをし合う場合に使われます。

cancel each other out

「お互いに打ち消し合う」「相殺する」という意味のフレーズです。

be different from each other

集団の中での個性や意見の相違を尊重する意味で「人それぞれである」と言う表現です。

cut each other’s throats

直訳すると「お互いの喉を描き切り合う」という物騒な表現ですが、比喩的なもので、「激しくいがみ合う」「対立する」という意味と、その結果「共倒れになる」という意味で使われます。

each otherとbothのニュアンスの違い・使い分け方

each otherとbothは一見「お互い」と「両方」という違う言葉のように思えるかもしれませんが、日本語の「お互い」はしばしば「両方」「双方」を指しているので、each otherという「個々」のニュアンスが強くなる言葉の代わりにbothを使うほうがうまくイメージが伝わる場合があります。

each otherは、個人個人が別にいて、その間でアクションが一つの方向から他方へ、そして逆にまた他方からもう一方へ、というというイメージなので、双方向でありながら別々にアクションが発生する状況を表す時に使うのに適しています。They like each other.「彼らはお互いを好きである」というと、Theyが2人である場合一方が相手に好意を持ち相手もまた他方に好意を持っている、というアクションの流れが双方向に見えます。こうした文でbothを使うと、They like both.「彼らは両方とも好きだ」と、2人ともが好きな対象の第三者がいることを示すので、このケースではeach otherとbothを同じようには使えません。

ところが、二者が合意をするようなシチュエーションで「彼らはお互い同意した」と言いたい場合、They agreed with each other.、They both agreed.、どちらも文としては成り立ちますし、似たような意味を表します。ただし、each otherを使った前者は、「お互いがそれぞれ相手(の意見に)同意している」というニュアンスになり、それぞれ別の意見を持っている2人がそれぞれお互いの意見に同意し納得している、円満な状況が光景として浮かびます。「お互い話が合う」というニュアンスも含まれます。一方後者のThey both agreed.は、何か1つの案があって「両者ともその案に合意した」という意味になります。「お互い同意した」というシチュエーションがどういうものかによりますが、通常は後者のThey both agreed.のほうがしっくりくる状況のほうが多く想像できます。




each otherの類似表現一覧

between both sides

「双方の間の」という意味で「お互いの」というニュアンスを含ませる場合に使います。

mutual

「双方の」という意味の形容詞です。mutual agreement「双方の合意」、mutual friend「共通の友人」のように、お互いが同じことに合意していたり同じ人を知っている、というような意味で使います。

【番外編】each otherの表現が使われている曲を紹介!

「If We Have Each Other」by Alec Benjamin

アリゾナ出身のアレック・ベンジャミンは、2019年春にリリースした「Let Me Down Slowly」のヒットで一躍有名になった、「天使の歌声」と形容される美しい声が人気の男性シンガー・ソングライターです。

デビュー前からデモ・テープが音楽関係者の間やネット上で話題になり、2012年に18歳で大手レーベルと契約を結んだ若手の新星でしたが、その後契約の問題などで紆余曲折あり、再び脚光を浴びるまでは、ヨーロッパ巡業やネット上への作品の投稿など地道な活動を経なければなりませんでした。努力の甲斐あって、2017年に「I Built a Friend」がネット上で大ヒットし、ようやくスターとして実力にふさわしい評価と名声を得る機会を得ます。

「If We Have Each Other」は2018年にリリースされたシングルで、発売当時のセールスは振るわなかったものの、「Let Me…」のヒットのおかげで今現在YouTubeの再生回数が伸び続けています。

生まれてくる子どものために身を粉にして働く19歳の女性、決して裕福ではないけど共に年を重ねてきた90歳の老夫婦、そして23歳の自分自身と妹、それぞれのストーリーを描き、The world’s not perfect, but it’s not that bad/if we got each other, and that’s all we have「世界は完璧じゃないけどそんなに捨てたもんじゃない。だってお互いがそばにいる。そしてそれがすべて」と、お互いにとって大切な家族さえいれば、平凡ながらも世界は悪くないものだ、と歌う心温まる曲です。

まとめ

よくある勘違いの項でご紹介したように、日本語で考えた文をそのまま英語に訳そうとすると、each otherの「お互いに」という意味にとらわれるあまり、ちぐはぐな英文ができあがってしまうことがよくあります。英語のeach otherは日本語の「お互い」と常にイコールではありません。他のほとんどの英単語も、100%日本語の意味と一致するものなどないと思ったほうが良いでしょう。

意図やイメージしたことが正確に伝わる英文を作るコツは、とにかく日本語→英語という「英訳」をせず、言いたいこと、伝えたいことを、言葉ではなく画像や映像のイメージや感情としてざっくりと頭の中に思い描き、そのイメージが伝わるの英語の表現を探して新しく文に構築することです。

「ありがとう」と英語で言いたい時、ありがとうの語源「有難い」つまり、「起こり得ないことである」という意味を英語に訳しIt could never happen.などと訳す人はいませんよね。「ありがとう」という感謝の気持ちを表すのに一番ピッタリくる英語表現はThank you.だと、訳するわけではなく感覚でわかっているからです。究極の理想は、これくらいの感覚で英語を話すということでしょう。もちろん、これはそう簡単なことではありません。それでも、英語の単語や表現方法をたくさんインプットし、英語で感情や物事のイメージを伝える練習を重ねることによって、必ず身についていきます。その過程を楽しめるよう、英語と日本語の表現の違いを新鮮な驚きととらえ、面白いと感じながら、少しずつ感覚を養っていけるといいですね。

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