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<目次>
God bless youの意味や発音・アクセント
God bless youの意味
God bless youの意味は、「あなたに神のご加護がありますように」という意味です。Bless you、God blessと短く言うことも多く、意味は同じです。
blessという動詞には、「神が恵み・祝福を与える」という意味があり、その行為をblessing「神が祝福すること」と言います。この考えはキリスト教の文化圏に深く根付いており、病気など大変なことがあった時のお見舞いや、逆に結婚などおめでたいことがあった時などに、健康や幸福を祈るという、最大級の好意の表し方です。
くしゃみをした時にBless you.と言葉をかけるのもこの考えから来ています。もともとは、「くしゃみをすると魂が口から飛び出てしまい、空になった肉体に悪霊などが入り込む危険がある」との考えから、それを防ぐために体にバリアを張るというおまじないの言葉のようにGod bless you.が使われていたと言われています。その後、ヨーロッパでペストが大流行した6世紀ころ、「くしゃみはペスト感染の兆候の可能性がある」として、誰かがくしゃみをした時にGod bless you.と言うようになり、それがくしゃみに対するお見舞いの言葉として定着していったそうです。
God bless youの発音・アクセント
God bless you.は、ガァドゥ・ブレスュウという発音になります。Godをスペルから判断してゴッドと発音する人が多くいますが、ゴよりはかなりガに近い発音です。また、英語には基本的に小さいツの音はないので、ガッドではなくガを少し伸ばしガァ、dは母音のオを付けてドと発音せず軽くドゥと発音します。ブレスのスも母音のウは付けず、次のユゥにすぐつなげます。ユの発音も弱めし、最後もユーと長く伸ばすのではなく、ユゥと短く発音します。アクセントは、ガァとブの2か所に強く置きます。
God bless youを使う時の具体的なシーンや含まれるニュアンス
くしゃみに対して「お大事に」と気遣う
話している人やそばにいる人がくしゃみをした時にGod bless you.またはBless you.と言うのは、もっとも一般的な、よく聞かれる使い方です。この場合はBless you.と言うほうが圧倒的に多く、カジュアルに「お大事に」というニュアンスです。くしゃみの音をきいたら条件反射的に言う言葉なので、バスに乗っていてくしゃみをすると、近くにいる知らない人にBless you.と言われることもしばしばです。
もし誰かがとても大きなくしゃみをしたり、あるいは何回も続けてくしゃみをするなど、より心配な状況の場合には、「おやおや、大変だね」というようなニュアンスを込めてGod bless you.と少し強めに気持ちを込めて言います。
人の幸せや幸運、健康を祈る
キリスト教の教会で神父さん・牧師さんがお祈りの後に「神のご加護を」という意味で使われるフレーズですが、教会でなくとも、英語圏でキリスト教文化が根付いている国々では、普段の生活の中でも実によく聞かれます。
例えば街を歩いていると、道端に座っているホームレスの人の傍らに置かれている紙コップに誰かが小銭を入れ、彼らが感謝を込めてGod bless you.と言う光景は、あちこちで見かけます。「私を助けてくれたあなたに、神のご加護がありますように」というニュアンスです。
このように、欧米などのキリスト教文化圏には、自分を助けてくれた人や、自分だけでなく他者に対して善い行いをしている人に、その人の行動を称える意味も含めて神のご加護・祝福があることを祈る、という、日本人にはあまり馴染みのない習慣があります。
また、別れのあいさつをしたり門出を祝うようなシチュエーションでも、旅の無事や、新しい場所での活躍、健康など、様々な幸運を祈る意味でGod bless you.「神のご加護がありますように」と伝えるのも一般的です。こうした意味で、クリスマスカードの定番メッセージとしてもよく使われます。
美しい物や素晴らしいものの存在や行動に感動・感謝する感情を表す
感嘆詞のように、「なんて素晴らしいんだ!」「なんという美しさだろう!」という驚きや喜びをあらわすために、God bless youを文中に差し込んで、あるいは独立して使うことがあります。訳するのは難しい表現ですが、ニュアンスとしての意訳は、「まあ」「なんという」「信じられない」「素晴らしい」「なんてこった」というイメージでしょうか。敬虔な気持ちや強い感動を込めて使うこともあれば、スラング的に驚きや感動の気持ちを強調して使うこともあります。
例えば、尊敬する人物や、勇気ある行動をした人などを目の前にして、驚きや感嘆、畏敬の念を込めてWhat a brave! God bless you.「なんという勇敢な人!なんて素晴らしい!」などと言うことがあり、「この勇敢な人に神のご加護を」という意味も含みますが、どちらかというとシンプルに感動を表している表現になります。あるいは、男性がとても魅力的な女性を見て、Wow, God bless you!と言えば、誉め言葉として「うわぁ、なんてこった」という驚きの表現を以ってその美しさに感動している様子を伝えることもあり、この場合は少しくだけたスラングのような使い方にもなり得ます。
また、あまり一般的ではありませんが、この本来ポジティブな感動を表す言葉をわざと皮肉で使うこともあります。「神のご加護を」という幸運や健康を祈る言葉を逆にGo to hell「地獄に落ちろ」くらいの意味で相手にぶつけるパターンです。
God bless youに対しての返事や答え方のパターン8選
くしゃみをした時に誰かがGod bless you. またはBless you.と言った場合、「お大事に」という健康を気にかけてくれる言葉に対しては、シンプルにThank you.と返すのが一般的です。また、くしゃみではなくあいさつやお礼などの意味でGod bless you.「神のご加護を」と言われた場合は、ただうなづいたりウィンクして返すこともありますし、下記のようなフレーズでリアクションをすることもあります。
God bless you too.
Best to you as well.
Thank you for your kind wishes.
And you are in my thoughts.
Your blessing is all I want/need.
Stop it!
Thanks./Thank you.
くしゃみをしてGod bless you./Bless you.と言われた場合は、シンプルな言葉でお礼を言うのが一番良いでしょう。
God bless you too.
くしゃみに対するGod bless youの意訳は「お大事に」ですが、実際は「神のご加護を」と言われているので、「あなたにも神のご加護を」と言葉を返すことで「ありがとう」という返事になります。別れや門出のあいさつで言われた場合にも使える返事です。
Best to you as well.
もしキリスト教の信者でないために、God bless you.と言われて気分を害したり、今後は言われたくないのでやんわり「その表現は私は使わないよ」と伝えたい場合、定番のフレーズで返すのではなく、あえてこういう言い方で「あなたにも幸運を」と返事をする人もいます。
Your blessing is all I want/need.
これも、「(神ではなく)あなたの祈りで十分だよ」という言い方で、遠回しにGodという表現を避けてほしいというニュアンスにも取れますし、単純に、「あなたの気持ち」が自分にとっては最高のお見舞いや祈りであるという意味の返事でもあります。
And you are in my thoughts.
別れのあいさつに対する返しとして、「あなたもいつも私の心の中にいますよ」と自分も相手の幸運や健康も気にかけている、ということを伝える表現です。
Thank you for your kind wishes.
口語では少々堅苦しい印象ですが、メールや手紙などで「幸運をお祈りします」と言われた場合の返事にはこう書くと良いでしょう。
Stop it!
「なんてステキなんだ!」とほめる意味でGod bless you!と言われた時に、もちろんThank you.とお礼を言ってもいいのですが、照れ隠しで「やめてよ」と言うこともあります。
God bless youに関してよくある勘違い
God bless you.は、日常生活や映画・ドラマなどでかなりひんぱんに耳にするフレーズです。特にアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリアなど、キリスト教文化圏の英語を映画やドラマなどで聞き慣れている英語学習者は、彼らの感覚が世界標準だと勘違いしてしまい、そのために宗教という非常にデリケートな部分に対して認識が不十分になりがちです。
私たち日本人だけでなく、アメリカでは特に、2001年の同時多発テロ事件以降、アメリカの団結の象徴としてGod bless Americaというフレーズや曲が頻繁に流れることもあり、また、裁判で供述する前には聖書に手を置いて宣誓する習慣も残っていたりすることから、それを見ている私たち日本人は、アメリカの常識が英語圏全体の常識であるように思ってしまうかもしれません。
しかし世界的に見ると、英語を話す人は世界中にいますが、そのすべてがキリスト教信者ではありません。むしろキリスト教信者のほうが少ないでしょう。キリスト教徒の割合が高い北米やイギリス、オーストラリアでも、実に様々な民族・宗教の人が暮らしています。彼らにとって英語という言語は共通語であっても、God bless you.のような、キリスト教の文化から生まれた宗教的な色の強い言葉は必ずしも共通語ではないと認識し、このフレーズを使うのが適切かどうか、気を付けたいものです。
日本では、日ごろ「宗教」を強く認識する習慣があまりありませんので、宗教が生活や文化の基盤にある人たちの感覚がわかりにくいものです。また、多神教である神道と、輸入された宗教である仏教の両方を生活の中でごく自然に取り入れている私たちが「神」という言葉を口にする時、それは神という存在というよりも漠然とした概念に近いものがあります。キリスト教を信仰する人たちもその感覚は理解しており、また、そういう漠然としたものの意味でGodという言葉を使うことはありますが、基本的に彼らにとってGodとは、多くの場合キリスト教の神を指しています。
もし、イスラム教の人に「幸運を」という意味でGod bless you.と言うと、アラーという一神教を信仰する彼らに対して「Godというキリスト教の神のご加護を」と言ってしまうことになり、相手に不快な思いをさせるだけでなく、そういうフレーズを言った人が宗教に関する知識がない、国際感覚や配慮が足りない、と思われてしまう可能性があります。
また、自分自身がキリスト教信者ではない人がGod bless you.と言うことに対し、キリスト教を信じる人たちの中には、違和感を感じたり、不快に思う人もいますので、注意が必要です。
God bless you.をビジネスやメールでも使える表現に言い換えると?
ビジネスの場では、宗教的な意味合いが強い表現は日常会話よりも使わない傾向にありますので、漠然とBest of luck「幸運を」、I wish you the best.のようなシンプルなフレーズがよく使われます。また、成功やビジネスで場での活躍を祈るフレーズもよく用いられます。I wish you and your company every success./May your business be successful.「(あなたとあなたの会社の)今後のご活躍/ご成功をお祈りします」、などの表現がよく聞かれます。
メールでは、My best wishes for your success. /Best wishes in your new ventures.「今後の成功/ご活躍をお祈り申し上げます」、Hope all of your business will be successful.「事業の成功をお祈りします」、I wish you continued success in ~.「~においても引き続き成功をお納めになりますようお祈り申し上げます」といった文で締めくくると良いでしょう。
God bless youを活用した例文・会話文
A: Ahchoo! Ahchoo!
ハクション!ハクション!
B: Whoa, God bless you! You got a cold?
おっと、大変だね! 風邪ひいたの?
A: Thanks. It’s just hayfever.
ありがとう。ただの花粉症だよ。
A: God bless you! You are such a beautiful bride!
まあ、なんてきれいな花嫁さんなの!
B: Thank you mom.
ありがとう、ママ。
God bless youを応用した表現まとめ
God bless you always.
「常に神のご加護があらんことを」という表現で、別れやお祝いなどの特別な機会だけでなく、「いつもあなたの幸運を願っていますよ」と伝える場合にも使えるフレーズです。
God bless us.
「神は私達をお守りくださる」という意味で使います。
May God bless you.
May「~でしょう」という言葉を冒頭に付けることで、「神のご加護があらんことを」「あなたに神の祝福があるでしょう」というような、相手により積極的に幸運・祝福がもたらさせることを強く願う、あるいは確信に近いような気持ちを伝えるニュアンスが感じられる表現です。
May God bless you for ~.
forの後に、善い行いなど祝福・礼賛されるべき具体的な物ごとや行動をつけることにより、「あなたの~に(対して)神の祝福があらんことを」と祈る表現です。例:May God bless you for your kindness.「あなたの親切に対して神の祝福があらんことを」
May God bless you with ~.
withの後には、神のご加護がどのような形で与えられるのかを付け加えます。例:May God bless you with all the joy and happiness.「あなたに喜びと幸福の恵みがあらんことを」
God bless you in everything that you do.
「あなたのすることすべてに神の祝福を」という表現を使うことで、朝から今日一日におこなう行動すべてが神の祝福を受けるように祈りをささげる朝のあいさつになります。とてもフォーマルな表現です。
God bless +人
「~に神のご加護を」と、話している相手ではなく第三者のことを気にかけ、その幸運を祈る場合に使います。また、第三者の話をする際に、God bless+人を独立して使ったり、文中に入れ込むことで、特筆すべきことがらの素晴らしさなどを強調するニュアンスを含ませることができます。
文中で使う例①:My mother, God bless her, worked hard all her life.「私の母ですが、いやもうまったく、とにかくよく働いた一生でした」
または、同じ用法で、あきれたり冗談で行動や人柄を笑う場合にも使うことがあります。例②:Steve,God bless him, can’t even boil an egg.「スティーブのやつ、まったくなんてこった、卵も茹でられないんだ」
どちらの場合も、「~に神のご加護を」と願っていますが、前者はよく働く母を称えるニュアンス、後者はどうしようもなおっちょこちょいのスティーブに神のお恵みを、というようなニュアンスになります。
また、人ではなくGod bless America.のように国などに対して「神のご加護・祝福」を祈ることもよくあります。
God bless you.とBless you.のニュアンスの違い・使い分け方
どちらも基本的には同じ意味で、「神のご加護を」「神のお恵みを」が転じて、「幸運を祈ります」「お大事に」という意味で使いますが、ニュアンスや使うシチュエーションが違う場合があります。
God bless you.は、前に述べたとおりGod=神、特にキリスト教の神という言葉が入ることで宗教的色彩が濃くなります。また、その分敬虔な気持ち、真剣な意味合いが強くなりますので、心からの感謝や感動、祈りを伝えたい場合に使うことが多くなります。カジュアルな場面では、少し大げさにジョークまたはスラングのようなニュアンスになります。
Bless you.は、Godという言葉がない分、宗教的色彩が薄まり、かつ、カジュアルになるので、感動が強い時に表すフレーズとしてはあまり使われません。日常生活でより幅広い人たちに浸透しているフレーズで、「幸運を」という意味で使う場合には多少限定されますが、くしゃみをした人に対する「お大事に」という意味では、ほとんど宗教的意味合いはなく礼儀として相手を気遣うフレーズとして広く受け入れられています。他宗教を信仰する人や無神論者でもBless you.と言ったり言われたりすることに強い抵抗はなく、寛容に受け入れられる場合が多くなります。
God bless youの類似表現一覧
Gesundheit
ドイツ語で「健康」を意味する単語で、くしゃみをした人に対して言う「お大事に」の定番表現ですが、God bless you.やBless you.のような宗教的な意味がないため、宗教的信条とは関係なく安心して使えるフレーズです。発音は、カタカナで書くとゲズントハイトですが、トはどちらもはっきり母音のオを発音しないtの発音、弱いトゥになります。
May God be with you./May the blessing of God be upon you.
「神と共にあらんことを」「神のご加護/祝福を」という意味の言葉で、シリアスな響きがあるので、くしゃみをした後の声かけとしてではなく、別れや門出を祝う時などのフォーマルなあいさつとして使われます。敬虔なキリスト教の信者の人、主に年配の人なら、家族や友人に対しても使うことがあります。ちなみに、スターウォーズの有名なフレーズ、May the Force be with you.は、この言葉から来ています。
May the Lord bless you.
May God be with you.と同じ意味ですが、Godがキリスト教に限らず一般的に「神」という意味になり得るのに対し、Lordはキリスト教における「主」に限られています。キリスト教信者の人同士でしかほぼ使われないフレーズです。
Godspeed/I wish you godspeed.
godspeedは「幸運」「成功」という意味で、別れやお祝いなどのあいさつでGodspeed.と「幸運を祈る」という意味で使うこともできます。
Always in my thoughts.
神のご加護や祝福ではなく、自分自身が「あなたのことをいつも思っているよ」と伝える、カジュアルで宗教色のない相手の幸運や成功、健康を祈るフレーズです。
I’m crossing my fingers for you.
crossは、手の人差し指に中指を掛けてクロスさせるジェスチャーのことで、「うまくいくことを祈る」という表現です。カジュアルで、友だち同士の間などでよく使われます。
Good luck.
別れのシーンや、何かに挑戦する人を送り出したり、人生の門出に際して幸運を祈る場面で使われる、God bless you.よりもかなりカジュアルで一般的な表現です。
Hallelujah.
ハレルヤは、よく讃美歌の中でも聞かれるように「神をほめたたえよ」という意味の祈りの言葉で、宗教的にGod bless you.に近い意味があります。日常の会話でも、「やったね!」「すばらしい!」というような、大きな喜び・驚き・感動・感嘆を表す場面で使います。
Amen.
キリスト教で、祈りの結びに使い「かくあれかし」「まことに」、または相手が述べた言葉に対して「その通り」と同意するような意味になります。日本ではアーメンと発音しますが、英語ではエイメンと発音します。日常の会話では、「その通りだ」「まさに」という意味で使い、しばしばAmen to that!とも言います。ざっくり要約するとYes!という意味にもなるので、スラング的に「そう、それだよ!」と何かを肯定したり喜びをもって受け入れる表現にもなり、素晴らしいものを見て興奮または感動した時にAmen!と言うことがあります。
【番外編】God bless youの表現が使われている曲を紹介!
「Inner City Blues(Make Me Wanna Holler)」by Marvin Gaye
20世紀最高のソウル・シンガーの一人と言われたアメリカの伝説的大スター、マーヴィン・ゲイが1971年に発表した世界的大ヒットアルバム「What’s Going On」に収録されている、当時の世相や社会問題に鋭く切り込んだ曲です。ベトナム戦争が泥沼化していたこの時代、貧困や犯罪で荒れ果てたInner Cityでの生活はMake me holler「叫びだしたくなる」と訴える一方、繰り返しささやくようにGod bless you「神のご加護を」Lord keep you「主はあたなを守られる」と希望を歌っています。
まとめ
英語を学ぶ時によく気を付けなければならないポイントとして、宗教や文化の違いに対する認識・配慮があります。本来相手を気遣い、幸せや健康を願うフレーズであるはずのGod bless you.ですが、話す相手と自分自身の宗教や宗教に対する考え方もよく考慮した上で、失礼のないよう気を付けて使いたいものです。それができてこそ、真の意味での英語話者だと言えるのではないでしょうか。