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<目次>
May the Force be with youの意味や発音・アクセント
May the Force be with youの意味
May the Force be with youは映画「スター・ウォーズ(原題『The Star Wars』)」シリーズの中で度々使われる有名なセリフで、「フォースと共にあらんことを」または「フォースと共にあれ」と訳される言葉です。
英語の名詞としてのforceには「力」「エネルギー」「強さ」「勢力」「軍隊」など色々な意味がありますが、このフレーズの中のフォース(Force)とは劇中の架空の概念で、固有名詞になるのでFは常に大文字で表示されます。日本の「スター・ウォーズ」公式サイトによると、「銀河のあらゆる事物に宿るエネルギーで、未来を予知したり、モノを動かしたりなど、様々なことを可能にする超能力的なパワーの源」とあります(出典:スターウォーズ公式サイト) 。イメージしやすいものに置き換えると「神」「魂」「気」といったスピリチュアルなものでしょう。
ローマ・カトリックには古くからThe Lord be with you「主はあなたと共にある」というミサで使われるフレーズがあり、現代語風に言うとMay the Lord be with youになります。May the Force be with youも「スター・ウォーズ」の作中の世界観においてこれに非常に近い意味、重みを持っており、「フォース」というものの存在・力を信じている者同士で成り立つ言葉で、「フォースがあなたと共にあり守ってくれる、力を与えてくれる」というような意味になります。
Mayで文章を始める倒置の形をとることで、相手の幸福や健康などを「~しますように」「~でありますように」と祈るフォーマルな表現になります。クリスマスや誕生日などに送りあうカードのメッセージの形式として一般的な形でMay all your wishes come true「あなたの全ての願いがかないますように」というような文になります。
映画の中のMay the Force be with youは、ジェダイと呼ばれる「フォース」を操り銀河系の平和を守る騎士たちの間で、戦いや旅に赴く仲間を見送るような大事な場面で、「健闘を祈る」「無事を祈る」というような意味で度々使われます。大変重みのあるフレーズですが、これはもちろんあくまでも映画の中だけの話で、実際の生活の中でこのフレーズを使うということは、パロディのようなもので一種のジョークです。
映画「スター・ウォーズ」シリーズは40年以上にわたって世界中にファンがいる超人気作で、シリーズの世界観を象徴するセリフであるMay the Force be with youは、ファンの間だけでなく英語圏では老若男女を問わず誰もが知っているあまりにも有名なセリフなので、「頑張って」「応援しているよ」「健闘を祈るよ」というような場面で、相手もこのセリフを知っていることを想定した上でジョークとして使います。
May the Force be with youの発音・アクセント
May the Force be with youの発音は、メイダフォースビィウィデューという感じになります。thの発音はカタカナでは表せないのですが、上の前歯で舌の先を軽くこするように発音します。Forthのthは無声音なので音を出さず空気をスッと歯と舌の間から抜く感じで、有声音のtheはザというよりダに近く、同じく有声音のwithはウィズというよりはウィドゥ、という音になり、ドゥの部分はほとんど発音しないくらい軽く小さく抑えて次のyouとつなげてウィデュー、のような発音になります。大事な言葉であるForceにしっかりアクセントを置き、フォは上の前歯で軽くした唇を噛んで空気を押し出すような感じで強めに発音しましょう。
映画の中ではシリアスな面で使われるフレーズなので、ジョークとして使う場合もわざとあらたまって、しばしば声のトーンを落として重々しく言う事が多いです。
May the Force be with youを使う時の具体的なシーンや含まれるニュアンス
健闘を祈る
May the Force be with youは映画「スター・ウォーズ」の中で、戦地に赴く人を激励したり、共に戦ったり困難に立ち向かう仲間とお互いを鼓舞しあうような場面で使われることが最も多いようです。しかし実生活で使うとこのフレーズはジョークになるので、さすがに生死を賭けるような冗談もはばかられる場面では使われません。
少々シリアスなシーンでも、緊張をほぐす意味や、重苦しい空気を取り払うためのジョークは通じるような場合で、言う側と言われる側の関係性もそうした場面で冗談が許されるようなものであれば、「健闘を祈るよ」「きっと大丈夫だよ」というニュアンスでMay the Force be with youと激励や応援の言葉を送ることもあります。受験や就職試験、会社の命運を賭けた大事な会議やプレゼンテーションなど、何か大きな事に挑戦したり、大変な状況に直面している人を元気づけるように言うと良いでしょう。
もっとカジュアルに、「あ~課題がたまってるなぁ」「明日から苦手な先輩と3日間出張だ」というような、確かに頑張らなければならない状況ではあるけどそれほどシリアスではないようなシチュエーションでは、あえて映画では深く重い意味を持つこのフレーズを使うことで、からかったり皮肉を言うようなニュアンスを含ませることで、「たいしたことないよ」「負けずにがんばれ」という気持ちを表すようにMay the Force be with youとエールを送ると場も和むでしょう。
別れのあいさつ
映画では激励や鼓舞以外にも、旅立つ人に対して無事を祈る場面や、逆に自分が旅立ったり最期を迎える場合に残された仲間に向けてメッセージを送る場面、戦争で命を落とした兵士たちへの弔いの意味でも、May the Force be with youと言っています。
実生活でも、引っ越しや転勤で遠くへ行ってしまう人や卒業・転職などで新たな道に進む人に向けて、あるいは自分自身が旅立つ場合の別れのあいさつ代わりに使うこともできるでしょう。しんみりなってしまいがちな別れのシーンで、おどけてこのフレーズを言うことで寂しさや不安を紛らわせる効果を狙って使うことができます。
May the Force be with youに対しての返事や答え方のパターン5選
基本的にジョークなので、ついクスッと笑うこともあるでしょうし、ニヤリとしてうなずいたり、言われたほうもジョークに乗ってスター・ウォーズふうに重々しく答えるのも楽しいでしょう。スマートな返し方としてはこのようなものがあります。
And also with you.
May the Force be with us all.
Always.
I don’t get it.
May the Force be with you.
合言葉のようなものなので、同じ言葉を返してお互いに「フォースと共にある」ことを確認しあうイメージです。
And also with you.
「そしてあなたにも」という意味です。May the Force be with youを日本語に訳すと「フォースと共にあらんことを」「フォースと共にあれ」と対象がぼやけてしまいますが、実際はwith you、「あなたと共にあらんことを」と言っているので、このように「あなたにも」と返せるということは、英語での自然な受け答えの感覚が身についているということです。
May the Force be with us.
上の「あなたにも」の応用で、あなただけでなく「私たちすべてに」と返す英語上級者に聞こえるフレーズです。
Always.
いつもというフレーズ一つで、ニュアンスとしては「そう、いつも共に」となります。相手の言葉を受け入れさらに「常に」フォースと共にあるのだという意識を強調しています。
I don’t get it.
いくら有名な映画の有名なセリフとは言っても、100%誰もが知っているわけではありません。もしスター・ウォーズのセリフということがわからない場合は「なんのこと?」とポカンとしてこう答えてしまうでしょう。あるいはただWhat? 「何?」Say what?「何だって?」と言ったり、I have no idea what you are talking about.「何のことだかさっぱりわからない」と怪訝な顔をする場合もあります。
May the Force be with youに関してよくある勘違い
May the Force be with you「フォースと共にあらんことを」を実生活でも使える言葉に訳すとしたら、「ご健闘をお祈りします」「お気をつけて」になりますが、映画のフレーズそのままを使うことは、ジョーク以外では基本的に決してありません。シリアスな場面で真面目に使わないよう気を付けましょう。
また、言われたほうもジョークと受け取らなければならないので、「ご検討をお祈りします」と激励されたからと言ってそれに真面目すぎる返事で返してもいけません。また、冗談と取った上で返すとしても、Thank you「ありがとう」やI’ll do my best、I’ll try my hardest「頑張ります」と返すと、May the Force be with youという英語のフレーズと文法的に対応してない答えになりますので、「意味が分からなかったのかな?」と相手に思われるかもしれません。あきらかに「頑張って」という意味で言われたのであれば、Thank you、I’ll do my bestでもそれほどおかしくはない場合もあります。
May the Force be with youをビジネスやメールでも使える表現に言い換えると?
基本的にはビジネスシーンでは使いません。
また、日本ではビジネスの場では、「お世話になります」「お疲れ様です」など様々なあいさつや常套句がありますが、英語圏でのビジネスはこうしたものがなく、すぐ本題に入ったり、ビジネスの場特有のものではなく友人同士でか交わすあいさつとあまり変わらない場合が多いものです。それでもいくつかビジネスの場にふさわしい表現がありますのでご紹介しましょう。
I wish you all the best and success in the future.
「皆様のご活躍と成功をお祈りいたします」というニュアンスで、かしこまった表現です。I/we wish youの後に祈る事がらの名詞を続ける文体で、色々違うパターンで活用できます。May ~で始まる「~がありますように」はフォーマルで堅いイメージ、または詩的な響きがありますが、I wish you~はもっと日常的に広く使うことができます。
Best of luck to you.
「幸運を祈ります」というGood luckと同じニュアンスですがもう少しフォーマルな表現で、メッセージカードなどにも良く書かれます。
Nice working with you.
「一緒に仕事ができて良かったよ」という意味でつのビジネスが終わった後の締めくくりとして別れのあいさつによく使われます。日本語の「またよろしくお願いいたします」と言いたい時に使うフレーズです。返事は、Likewise、The pleasure is all mine「こちらこそ」と返します。
I hope to be able to work with you again soon「また一緒にお仕事したいですね」などと直接的に日本語のイメージに近い言葉を言っても良いのですが、英語では日本語と違ってあいさつとしてこうしたフレーズを言うことはなく、本当に「ぜひ仕事したい」と言うストレートな意思表示になり少々表現になりますので、あいさつとしては少々不自然に聞こえます。
May the Force be with youを活用した例文・会話文
A: It’ll be really hard for both of us, but we can do it!お互いにとってとても大変だが、僕たちならできる。!
B: Sure! May the Force be with you.
ああ!「フォースと共にあらんことを」
A: All right, you are gonna be fine, I guess.
オーケー、君なら大丈夫そうだな。
(仲間との別れで)
A: It had been so much fun. You guys are like family to me. I’ll miss you all…
楽しかったわ。あなたたちは家族みたいな存在よ。寂しくなるわ…
B: We’ve gone through a lot together, haven’t we? Remember, no matter where we are, we’ll be always friends.
一緒に色んな苦労もしたもんね。忘れないで、どこにいたって僕たちはずっと友達だよ。
C: May the Force be with you.
「フォースと共にあらんことを」
A: (笑って)And also with you. OK, no more crying! Let’s drink!
「あなたにも」。よし、泣くのはもうなし!飲みましょ!
May the Force be with youを応用した表現まとめ
The Force will be with you always
「いかなる時もフォースはあなたと共にある」という意味で、May the Force be with youとほぼ同じニュアンスですが、決まり文句によるあいさつではなく個人的なメッセージに近い表現です。お互いがスター・ウォーズの「フォース」のことを知っていれば通じる、May the Force be with youと同じシチュエーションで使えるジョークです。
May the Force be will us all
「我々すべてににフォースのご加護があらんことを」人やグループに贈る言葉ではなく自分を含む全員を鼓舞するイメージで使います。
May the Force be with youとMay God be with youのニュアンスの違い・使い分け方
冒頭の項でご説明した通り、May the Force be with youというフレーズは、宗教的意味合いを持つMay the Load be with youをアレンジしたものと考えられます。The Loadとは「主」ですが、近いイメージで使われるもう一つの言葉がGod「神」で、英語圏では一般にはGodのほうがより広く使われる言葉です。
映画の中で重みを持って使われるMay the Force be with youと同じような意味・シチュエーションで使うフレーズとして、May the God be with you「神があなたと共にあらんことを」があります。Godという宗教的な言葉を使うので、基本的に主にキリスト教で言うところの神の存在を信じている人が主に使うものであり、May the Force be with youと違ってジョークとしては使いません。誰かが困難に直面したり、大きな事にチャレンジしている時に、真摯に相手を励ましたり行員を祈る言葉として使います。
また、他の宗教を信仰している人や無神論者の人に言うことはありません。イスラム教の人であれば、Godの代わりに彼らの信じる神であるAllahを使い、May Allah be with youと言うことができます。
May the Force be with youの類似表現一覧
May the Load Bless you
「主のご加護があらんことを」という、May the Load be with youと似たような意味です。blessは主または神が「祝福する」「加護を与える」という意味です。
ちなみに、blessを名詞形にしたblessingは主または神のご加護・恩恵という意味で、転じて「素晴らしいもの」という意味で使ったり、主や神に限らず大切な人からもらう「祝福」という意味にもなります。英語圏ではしばしばblessingは、結婚の許可をするとニュアンスも含めてgive someone one’s blessingというふうに使い、「~に…の祝福をあげる」→「…が~の結婚を祝福する」という意味になります。
May God bless you/God bless you/Bless you
「神のご加護があらんことを」「神のご加護を」という意味で幸運を祈るイメージです。病気の人や大変な状況にある人に「早く体/状況がよくなりますように」というニュアンスで使うこともしばしばあります。Bless youはくしゃみをした相手にかける「お大事に」という言葉です。
May you be protected
「(主または神が)お守りくださいますように」と、無事や健康を祈る言葉です。
Come back safely
The LoadやGodをつかうよりもずっとカジュアルに同じように旅の無事を祈りたい場合は、シンプルにCome back safely「気を付けて帰ってね」と言えばOKです。
Power to the people
「人民に力を」という意味で、60年代以降に主にアメリカの若者の間で気運が高まってきていた市民の権利や言論の自由を訴えるムーブメントの中で広く使われるようになった、政治的スローガンです。
黒人差別撤廃を訴えたブラック・パンサー党は公式に“All power to the people”「全ての力を人民の手に」として、党員同士の合言葉のように、またスピーチの大事な場面で使っていたことでよく知られています。また、ファンクのレジェンドであるジェイムス・ブラウンの作詞によりジョン・レノンが歌った”Power To the People”は日本でも有名です。
自分や市民の権利を守るためや、権力と戦うためのスローガンとして、May the Force be with youと似たようなシチュエーションで使われることがあります。
【番外編】May the Force be with youの表現が使われている曲を紹介!
May the Force Be with You always by Tom T. Hall
後にストーリーテラーとして知られているよく知られるようになったカントリー歌手のトム・T・ホールが映画「スター・ウォーズ」に着想を得て作り、映画題1作が公開された翌年の1978年に発売した曲です。アルバム「New Train」に収録されています。
ジョークとしてMay the Force be with youを使っているのではなく、映画の中の架空の存在である「フォース」を、映画の世界観そのままに「大いなる力」のような意味で使うと同時に、英語の中でのforce「人や物が持つ力、エネルギー」とのダブルミーニングとも取れる意味で描いており、私たちの人生に影響する「フォース」の存在を歌いつつ、May the Force be with you always「フォームがいつも私たちと共にありますように」と大切な人に語り掛ける内容です。
まとめ
May the Force be with youは、基本的には映画の中の有名なフレーズで、引用することでジョークになるものです。これに並ぶ有名な映画のフレーズとしては「ターミネーター」シリーズのI’ll be back「また来るぜ」でしょう。自分は使うことはないかもしれませんが、知っておかなければ、会話する相手が使った時や、他の映画やドラマの中で使われた時にその面白さがわかりません。
日本語に様々なことわざや故事成語があるように、英語にもイディオムということわざがありますが、英語ではさらに、マーティン・ルーサー・キング牧師のI have a dream「私には夢がある」を始め、有名なスピーチの中の名言などを引用することが実によくあります。もしキング牧師の言葉そのものや、この言葉がどれだけ多く英語圏、とりわけアメリカで大きな意味を持ち繰り返し引用されてきたかを知らなければ、I have a dreamと言われても、「ふーん、夢があるのか」という反応になってしまい、相手の意図するところが理解できないままです。
ただ単語や文法の知識を積み重ねるだけではなく、名言や有名なフレーズをその文化的背景や歴史から知っておくことで、英語の理解や表現の幅が大きく違ってきます。そういう意識を持って英語という言語と深くつながる文化や習慣、歴史にも興味を持つと、英語を感覚としてより深く自然に身につけることができるし、学ぶのがもっと楽しくなるでしょう。