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<目次>
pros and consの意味や発音・アクセント
pros and consの意味
端的に言うと「長所と短所」という意味で、しばしば良い点と悪い点や賛否両論を比較検討する際にリストアップする時の言葉として使われます。
proもconも語源はラテン語で、proには「賛成の」conには「反対の」という意味があり、英単語の冒頭に付いてそれぞれ肯定的・否定的な意味を表す単語になることがあります。また、pro-〇〇で〇〇賛成派・支持派・推進派、という意味になることもありますが、反対派という表現については、con-〇〇というものはありません。通常反対派はopposition、opposition group、oppponentなどと表現します。
それぞれの良い点・悪い点を論じる場合、1つではなく複数リストアップすることが多いので、複数形のsをつけてpros and consになりますが、もちろんそれぞれ1つだけ挙げる場合にはpro and conとしてもOKです。
pros and consの発音・アクセント
はっきり発音すると、プロズ・アンド・コンズとなりますが、andのdは通常無声になるので、会話の中ではプロズ・エン・コンズとなったり、2つの単語をつなげる場合のandはしばしばンとだけ発音するので、プロズンコンズと発音することが多いです。prosもconsも平等に比較するわけですから、どちらかを強く発音せずロとコを同じくらいのトーンで発音しましょう。
pros and consを使う時の具体的なシーンや含まれるニュアンス
センテンスの中で「賛否両論ある」という場合
「~には良い点と悪い点がある」、というようにセンテンスの中で物事や行動について良い面悪い面両方の可能性があることを述べたい時には、There are pros and cons of ~のように、対象となる物事の前に通常ofを付けます。toを付けることもあります。
商品や物事、アイディアについて検討・議論したりプレゼンテーションする時に、手放しに自分のアイディアや売りたい商品を「100%良い」と主張するのではなく、あえて悪い面もある、ということを先に述べることで、慎重に物事を比較検討したい、というニュアンスを含ませることができます。あるいは、悪い面もあるけど最終的には良いほうが上回る、という展開のスピーチには、冒頭で興味を引くためや誠実さをアピールするために用いることも、特にビジネスや政治の場面でよくあります。
良い点・悪い点をリストアップする
pros and consが最も多く使われるのがこのシチュエーションです。会議の中でどの案を採用するか決める時の比較検討材料を挙げる時、日常で大きな買い物をする時や入学先の学校を決める時など、いくつかの物事・事がら・アイディア等々の選択肢から1つに絞る時、あるいは、1つの事をするかしないかという大きな選択を決定する時など、それぞれの選択の良い面・悪い面を書き出し、理論的に1つに決定する最もオーソドックスな手段です。
口頭で列挙することもありますが、ホワイトボードや紙などに、左側にpros、右側にconsと書き、真ん中に線を引いて、左のpros側に良い点を、右のcons側に悪い点を、箇条書きで書いていくことが多いです。
weigh pros and cons
表に書いて表す前に、まずは「さあpros and consを比較してみよう」と言う時、最も一般的に使われるのが、「重さを量る」という意味のweighです。pros(良い点)とcons(悪い点)を秤にかけて比べてみよう、というニュアンスです。
go over pros and cons
「検討する」という意味のgo overも、良い点と悪い点それぞれの意味するところをよく考えて検討する、というニュアンスでよく一緒に使います。
make a pros and cons list / make a pro-con list
文字通り「リストを作る」ということで、make a list of pros and consとも言います。
prosだけ、あるいはconsだけ述べる場合
物事には通常良い点も悪い面もあるという前提で、ある物事について良い点だけ、または悪い点だけを述べる場合や、リストアップされた左側のprosだけについて述べることもあるので、2つセットではなくそれぞれprosとconsを分けてセンテンスの中で使うことがあります。特にprosについては「~の利点は…」と良い面を強調する時によく用いられます。
pros and consに関してよくある勘違い
メリット・デメリット
日本で良い点・悪い点を挙げる時によく、メリット・デメリットという表現を使いますが、英語ではほとんど使いません。それぞれmerit、demeritという言葉は存在し、センテンスの中で別々に使われることはあります。ただ、黒板に書いて良い点・悪い点を列挙するようなシチュエーションではpros and consを使うことがほとんで、merit、demeritと書くと、言いたいことはわかるものの、ネイティブ・スピーカーは少し首をかしげるでしょう。
meritという言葉は、名詞としては「評価」「価値」「実績」という意味があり、「~の評価に値する」という動詞としても使われます。日常それほど多く聞かれる言葉ではなく、日本語で使っている「メリット」とは、大きなカテゴリーで言えば同じような部類には入りますが、意味やニュアンスはかなり異なります。日本語で言うmeritに近い意味で使うなら、What’s the merit of taking the risk?「リスクを冒すメリットは何?」というように、meritを「価値」に置き換えても意味が通る使い方であればしっくりきます。一方demeritは、「短所」「欠点」という意味があるので、少しだけ日本語で使うところのデメリットに近いのですが、どちらかというと「罰点」という意味で使われることのほうが多いです。
プラスとマイナス
メリット・デメリットと共に多く日本語で使われるのがプラスとマイナスで、pluses and minusesと辞書には載っていますが、これも英語ではあまり使いません。英語で言いたい時はやはりpros and consでほとんどカバーできます。よりpositiveとnegativeというニュアンスを強く言いたい時はpositive aspects / negative aspectsで表現すると良いでしょう。
plusに限っては、That’s a plus. 「それはプラスになるね」plus factor「プラスの要因」 plus point「プラスのポイント」というように、日本語で言う「プラス」とほぼ同じイメージで使うこともありますが、minusはあまり文の中でも使いません。
数字を表す時のプラス・マイナスはそのまま使っても良いし、positive / negativeに言い換えることもできます。
ちなみに、 プラス・マイナス・ゼロという意味で使いたい時はbreak evenなどと言います。
賛成と反対
pros and consはしばしば「賛否両論」と訳されるため、「賛成と反対」ととられがちで、多数決を取る時に用いようとする人もいますが、「賛成意見と反対意見」が正しい意味なので注意が必要です。多数決はmajority voteで、「多数決を取りましょう」と提案する時はLet’s decide by a majority vote、Why don’t we take a vote、またはシンプルにLet’s voteということもあります。そうした提案の後に挙手で多数決を取る時には、All in favor, please raise your hands.「賛成の方、挙手してください」などと言います。
まったく別の意味のproとcon
あまり頻繁に間違われるわけではないのですが、紛らわしいものにprofessional「プロフェッショナル」があります。こちらもpro skater などproと略して使うことがありますが、意味は全く別です。なお、conには「詐欺」「詐欺師」「騙す」という意味もあります。
pros and consをビジネスやメールでも使える表現に言い換えると?
pros and consはビジネスの場でも十分使える表現で、実際ミーティングや商談、プレゼンテーションなど様々な場で説得材料として良い点・悪い点をpros and consリストとして挙げるのはビジネスの常套手段です。ただ、文書の中でセンテンスとして書く場合には、よりフォーマルにadvantages and disadvantagesとしたほうが良いでしょう。
また、prosとconsをそれぞれ別に述べる場合では、prosの代わりにadvantages、benefits、good aspectsなど、consの代わりにdisadvantages、bad aspects、negative side、などと言うと洗練された印象を与えます。
pros and consを活用した例文・会話文
Let’s weigh pros and cons of teens on social media.
10代の子たちがソーシャルメディアを使うことの功罪を考えてみよう。
5 eye-opening pros and cons of low carb diet
5つの驚くべき低糖質ダイエットのメリット・デメリット
That’s one of the pros of the Internet.
それがインターネットの良い点の1つです。
A: So, what do you think about their proposal? Should we go for it?
さて、彼らの提案についてどう思う?賛同すべきかな?
B: It has many good points, but I’m not 100 % sure. Let’s go over pros and cons of it.
良いところはたくさんあるけど、100%賛成だとも言い切れないな。良い面・悪い面両方検討してみようよ。
A: OK,(黒板にprosとconsと書いて簡易な表を作り), let’s start with pros.
よし、じゃあ良い点から始めよう。
A: There are pros and cons of living in the city.
都会に住むのも良い面と悪い面両方あるよね。
B: I can’t think of any upsides of city life. Living in the country side is perfect!
私は都会に住むことのメリットなんて考えられないわ。田舎暮らし最高!
A: Well, can you tell me 10 pros of living in the country side?
じゃあ田舎暮らしの良いところを10個挙げてくれる?
B: Sure, uh, it’s quiet, calm, peaceful, and …. It’s…it’s just awesome.
もちろん。静かで、落ち着いてて、平和で…。とにかく…最高なのよ。
A: There are always cons to everything.
物事には何でも悪い面もあるもんだよ。
pros and consを応用した表現まとめ
The pros outweigh the cons.
賛成意見が反対意見より優勢である、メリットのほうがデメリットを上回る
explain ~ with pros, cons, and examples.
~についてメリット、デメリット、例と共に説明する
big pros / big cons
大きなメリット/大きなデメリット
pros and consとadvantages and disadvantagesのニュアンスの違い・使い分け方
基本的には同じ意味で、ほぼ同じシチュエーションで使われます。特に漠然と「良い点と悪い点」「長所と短所」「プラス面とマイナス面」という意味で使う分にはほぼ同じ使い方ができます。はっきりした違いがあるとしたら、pros and consはよりカジュアルで、 advantages and disadvantagesはフォーマルという点です。
しかし、advantages and disadvantagesは、日本語で言うところの「利点と不利な点」「有利な点と不利な点」というニュアンスが若干強く、そうした意味あいで使うのであればpros and consよりもadvantages and disadvantagesのほうがより適切です。テニスの試合で、お互い3ポイント(テニスの採点では40点)取り合いデュース(同点)になった後、先に1ポイントリードすることを「アドバンテージ」と言いますね。「優位に立つ」という意味です。そのイメージを覚えておくと良いでしょう。
pros and consの類似表現一覧
pros and consの類似表現はadvantages and disadvantages以外にもたくさんあります。
upsides and downsides
シンプルに「良い点と悪い点」で、カジュアルな口語です。pros and consはセットで使うことがほとんどですが、upsidesとdownsidesはそれぞれバラバラに使うこともよくあります。例:Let’s talk about downsides of being rich. None! 「お金持ちであることのデメリットを挙げてみよう。-ないね!」
bright side and dark side
「明るい面と暗い面」「ポジティブな面とネガティブな面」という意味です。ただ、dark sideというと「影の側面」「邪悪な側面」のように、ある人物や物事の隠れた負の側面というニュアンスがあり、bright sideの真逆というわけではなく、セットで使われることはあまりありません。
strengths and weaknesses
「長所と短所」という意味での「強さと弱さ」です。「得意・不得意」という意味でも使われます。
assets and liabilities
会計用語で「資産と負債」という意味です。「プラスとマイナス」のようなニュアンスで比喩的に使われることがあります。
gains and losses
これも会計用語で「損益」のことです。assets and liabilitiesと同様に比喩的表現で、gainはprofitsと言い換えることもできます。
for and against
「賛成と反対」です。sはforにのみつきます。フォーマルな場などでは、those in favor and those opposedと表されることもあります。
benefit and risk
「便益とリスク」という意味なので、完全に逆のファクターを比較するというより、ある物事の便利な面や有益な面とそれに伴うリスクについて話す時に用いられます。
What’s the catch?
なにかうますぎる話があった時に、「どんな裏があるんだ?」「落とし穴はなんだ?」という意味で言うスラングですが、良い話・アイディアについて検討する時に、downsideつまり「悪い点」「問題点」を問う時にも使います。
【番外編】pros and consの表現が使われている曲を紹介!
「5:01Am(The Pros and Cons of Hitchhiking, Pt10) 」by Roger Waters
イギリスの伝説的ロックバンド、ピンク・フロイドの元メンバーであるロジャー・ウォーターズが、まだピンク・フロイドに在籍中の1984年にソロで発表した最初のアルバムの中のタイトル曲。このアルバムにはエリック・クラプトンが全面参加しており、日本版タイトルの「ヒッチハイクの賛否両論」として知られています。
ヒッチハイクを例えに、比喩的に物事の良い面と悪い面とを歌うこの曲は、サビの部分でコーラスがThese are the pros and cons of hitchhiking と繰り返しています。
「Is it true」 by Right Said Fred
フェアブラス兄弟と彼らの友人により結成されたイギリスのバンド、Right Said Fredのこの曲は、愛や神、夢などの抽象的な事象から、靴や車などの物質に至るまでIs it true?「それは真実か?」と問いかけを続けます。最後にThe pros and cons of truth「真実の功罪」 The rumor and the myth「流言と虚像」 The misconception「誤解」That our ignorance is bliss「それら私たちの無知は無上の喜び」と、皮肉に歌い上げている、軽い調子の曲調と多少ミスマッチな詩的で哲学的な歌です。
まとめ
pros and consは、家族や友達と何かを決定する時に物事を比較検討する時、ビジネスでアイディアをまとめる時や商品をアピールする時など、幅広い場で日常的によく使われる表現で、映画やドラマでも頻繁に耳にします。知っておくと誰かがLet’s talk about pros and cons of ~と提案した時に会話にもすんなり入れますし、そういう場面が来たら自分から使ってみることで、こなれた表現ができると一目置かれるでしょう。
「メリットとデメリット」と言って首を傾げられることのないよう、pros and consをぜひ上手に取り入れて、ネイティブ・スピーカーとの自然な会話を楽しんでみましょう。