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就活で有利になると言われるTOEIC。
実際、7割の企業が採用の際にTOEICのスコアを参考にしていると答えています。
特に参考にされやすいのはTOEIC Listening & Readingのスコアです。
履歴書に書くなら600点は欲しいところですし、外資系や総合商社志望なら700点は必要。
『TOEICのスコアが就活でどのように有利に働くの?』
『TOEICスコアは何点とればいい?』
『TOEICスコアで嘘をついたらどうなる?』
『いつまでにTOEICを受けるべき?』
本記事では、就活生がTOEICについて抱く疑問に答えていきます。
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<目次>
TOEICスコアは、就活時に重要になるインターンの参考にも使われる
就活で最近注目されているインターンシップ制度。
インターンシップは学生にとって3つのメリットがあります。
1つめは、採用試験の前に実際に現場で働くことで、その業界の特徴や働き方を体験できること。
自分の適性も分かります。
2つめは、会社同士のライバル関係や上下関係にあるのかが分かり、業界分析に役立つこと。
インターンでお世話になった人が同業他社の人事の人と知り合いで、面接で有利になったという例もあります。
3つめは、インターンでの成功体験や学びを採用面接でアピールできること。
実体験を語れれば、どのようにあなたが働けるのかを採用担当者もイメージしやすいでしょう。
TOEICの学習経験がインターンの英語を使う業務で役立ち、高評価につながったという声があります。
映像業界でインターンを経験し内定を獲得した閑野さんの場合、英語で会話したりメールしたりする機会が多く、採用試験でも有利に働きました。
インターンの仕事で外国人と会話やメールをすることが多々あったのですが、その際TOEIC L&Rを受けていたおかげで上手く対応できたことが結構ありました。採用面接でもインターン体験を強くアピールしましたが、TOEIC L&Rへの取り組みが大きなアピールポイントになったのは間違いありません。
また、外国人とのコミュニケーションが多く発生する業種では、インターンの選考でTOEICスコアによる足切りがあるケースも見られます。
たとえばユニリーバの場合応募資格は以下のようになっています。
≪応募資格≫
国内外の大学1年生~既卒3年目(就業経験は問わない)まで応募可能
国内外の大学院修士課程・博士課程の方も応募可能
基礎的な英語力のある方(TOEIC換算800点以上)
- TOEIC, TOEIC IP, CASEC 800点
- TOEFL iBT 88点
- TOEFL CBT 230点
- TOEFL PBT 570点
- TOEFL ITP 570点
- IELTS Overall 6.5
*ご応募までに800点換算以上の取得が必須です
インターンとその後の採用試験を有利に進めるなら、TOEICスコアはとても重要です。
TOEICスコアをアピールして就活に成功した先輩たちの就活体験記
インターンに参加しない場合でも、TOEICスコアは重要です。
TOEICスコアを使って内定を獲得した2人の先輩方の体験談を聞いてみましょう。
1人目は、椎名真子さん。
現代教養学部を卒業して印刷業界で内定を獲得しました。
就活の面接のときには、TOEIC L&Rの話題から、自己アピールに結びつけて話しができたのが有効だったと思います。
椎名さんのスコアは、大学3年生秋の時点で715点。
もともと日本の「モノづくり」の素晴らしさを世界に発信したいという思いがあり、TOEICスコアは必須だと考えていたそうです。
2人目は、尾崎玲花さん。
文学部を卒業して金融系に内定しました。
エントリーシートに記入したベストスコアには、多くの人事の方が反応してくださいましたが、点数よりも人間性をアピールするツールとして使っていました。決意したことをやりぬく力、コツコツと努力する力、結果に繋げる力など、対策プロセスを例に自己アピール内容にすることができました。
尾崎さんのスコアは、大学3年生秋の時点で840点。
忙しい日々の中、通学時間を使ってTOEIC対策を行ったそうです。
時間管理能力や実行力は現代のビジネスパーソンに求められる必須スキル。
職業人として重要なスキルをTOEICスコアを通してアピールしました。
就活時に気になるTOEICスコアのボーダー・足切りラインを解説
就活でTOEICスコアを利用する場合、志望する職種で何点必要かが重要です。
点数によっては、書類審査の段階で足切りされてしまうかもしれません。
大学生のTOEIC平均スコアは567点
就活生のTOEICスコアとして第1の目安となるのが、大学生の平均スコアです。
TOEICを運営・管理するIIBCによれば、2019年の大学生の平均スコアは567点。
これより低いスコアだと「英語ができない」スコアだと見なされます。
(参考資料)⇒TOEIC® Program DATA & ANALYSIS 2019|IIBC
履歴書に書いてもいいTOEICスコアは600点から
大学生の平均スコアが567点ですから、「就活でTOEICスコアは何点から書ける?」という疑問の単純な答えは「567点から」。
しかし、仕事で英語を使う可能性の高い企業では、平均点以上のスコアで足切りを行う可能性があります。
ボーダーラインは企業や職種によってさまざまですが、2019年度の新入社員についてのデータを見る限り、ボーダーラインは低くても600点です。
参考資料⇒2019年度 新入社員 TOEIC(R) Listening & Reading 最新データ|IIBC
他に気をつけなければならないのは、内定から入社前後の指定期間内に一定以上のTOEICスコアを達成する必要があるケース。
楽天が典型例です。
楽天の場合、内定が出るまではTOEICスコアは不要です。
しかし、内定が出たあとは入社までに800点以上を取らなければなりません。
参考ページ⇒FAQ よくある質問|Rakuten新卒採用
就活で有利に働くTOEICスコアは650点から
600点が最低ラインとして、就活で有利に働くのは何点からでしょうか。
先ほどの2019年度新入社員に関するデータで新入社員のTotalスコア分布を見ると、600点未満の受験者が多いことが分かります。
大学生の平均スコアが567点ですから、500〜600点程度では他の就活生と差をつけられません。
他の就活生も、まずは600点を狙ってくるでしょう。
そのため、有利に就活を進めるなら余裕をもって650点は取っておきましょう。
外資系・総合商社で働くなら700点は欲しいところ
人気の高い外資系や総合商社で働く場合、必要なスコアはもっと高くなります。
IIBCによる国際部門をもつ企業への調査では、68.6%の企業が円滑な業務遂行に必要なスコアは700点以上であると答えました。
たとえばユニリーバの募集要項を見てみると、TOEICやTOEFL、IELTSなどのスコアを応募資格に明記しています。
ボーダーラインはTOEIC換算で730点以上。
730点未満だと応募すらできません。
参考ページ⇒ユニリーバフューチャーリーダーズプログラム365通年採用 春内定選考|ユニリーバ
外資系やグローバルに展開する総合商社を目指すなら、最低でもTOEIC L&Rスコアで700点をとっておきたいところです。
参考資料⇒「上場企業における英語活用実態調査 2013年」報告書|IIBC
840点を持っていれば就活では無双できる?
多くの就活生はTOEICスコア600点を1つの目標にします。
そして、600点を取ったあとは730点が次の目標です。
TOEIC L&RのスコアにはA〜Eのレベルがありますが、その上から2番目がレベルBで、730点〜859点が該当します。
レベルBは以下のような評価です。
通常会話は完全に理解でき、応答もはやい。話題が特定分野にわたっても、対応できる力を持っている。業務上も大きな支障はない。正確さと流暢さに個人差があり、文法・構文上の誤りが見受けられる場合もあるが、意思疎通を妨げるほどではない。
ここに入れれば、かなり強いアピールポイントになるでしょう。
しかし、まだ就活無双レベルではありません。
無双が可能なのは、同じレベルBでも840点が必要です。
というのは、「上場企業における英語活用実態調査 2013年」によれば、国際部門で企業が期待するTOEICスコアは最高840点だから。
国際部門をクリアできるTOEICスコアなら、他のどの部門でも通用するスコアです。
『無双するなら900点では?』と感じる人もいるかもしれませんが、900点取得のコスパは良くありません。
一般に「900点の壁」と呼ばれる難しさがありますし、900点をボーダーとする業界は通訳・翻訳業界くらいだからです。
900点を持っていれば注目度は非常に高くなるでしょうが、コスパを考えるなら企業が期待するスコアを目標に設定するほうが現実的です。
TOEICスコアは就活にいらない?意味ない?TOEICスコアを参考にしている企業の割合は?
『本当は就活にTOEICなんて必要ないのでは?』
就活生から時々聞こえてくる疑問です。
TOEICは必要ないと感じる原因は主に4つあるでしょう。
- 入社後の社内研修で英語スキルを育成してもらえるから入社時に必須ではない
- TOEICスコアで足切りする企業は決して多くない
- すでに雇用されている社員のTOEICスコアは必ずしも高くない
- TOEICスコアが低くても活躍している人がいる
しかし、IIBCの2013年の調査で、7割の企業が採用時にTOEICスコアを参考にしていることが分かっています。
TOEICスコアだけで不採用になることはないが評価ポイントとしては見ている、というのが現実。
就活を有利に進めたいなら、TOEICスコアは決して無視できません。
TOEICスコアで嘘をついたらどうなる?ばれる原因とばれた時のリスク
TOEICスコアの重要性が分かってくると、今度は『TOEICスコアで嘘ついたらばれる?』という疑問が聞かれます。
就活でTOEICを使うには受験が間に合わない時の苦し紛れの策です。
結論から言えば、嘘がばれる可能性は非常に高いですし、ばれなくても入社後に苦労します。
まず、ばれる原因としては以下の4パターンが考えられます。
- TOEICスコアの特徴を無視した点数になっている
- 公式認定証を提出できない
- 採用試験や面接の英語スキルとの差が大きい
- 入社前後のTOEIC受験のスコアが大きく異なる
TOEIC L&Rのスコアは5点刻みで出てきます。
この法則を無視した点数を申告すれば、採用担当者はすぐに気づきます。
また、英語スキルを重視している会社や部署であれば、スコア取得の証拠として公式認定証の提出を求めてくる場合があります。
嘘のスコアを申告している場合、公式認定証は発行できません。
公式認定証は受験から2年間は再発行可能ですので、「昔受けたから」という言い訳も不審に思われます。
英語の試験や英語面接を課す企業の場合、その成績と申告したスコアに大きな差があれば、嘘がばれます。
入社前後のTOEIC受験が課される場合も同様です。
嘘がばれれば、『本当はTOEICスコアが低い』こと以上に、人間性の部分で大きなマイナス評価を受けるでしょう。
嘘をついたという不誠実さが原因で不採用になる可能性は高く、内定取り消しの理由にもなり得ます。
入社後に発覚した場合は、減給や左遷の対象になるかもしれません。
もし嘘がばれずに済んでも、英語スキルが重要な企業や部署では、業務に支障が出ます。
自分の能力を偽って入社しているので、周りからの期待値はあなたの実力以上。
申告したスコアに見合った仕事ができないと周囲からの信頼は大きく下がるでしょう。
ばれる可能性の高さやリスクを考えれば、嘘をつくより書かないほうがマシ。
一番は、しっかり勉強して600点以上のスコアを取得し、正直に申告することです。
TOEICにはいろいろな種類があるけれど、どれが就活で評価される?
では、いざTOEICを受けようとなった時にどのTOEICテストを選べばよいのでしょうか。
TOEICには3種類のテストがあります。
このうち就活で広く使えるのは1種類だと思ってください。
まず、テストの種類として最も有名なのが、TOEIC Listening & Reading。
初級から上級まで対応したテストで汎用性が高いので、入試や就活で活用されることの多いテストです。
次に、近年注目されているTOEIC Speaking & Writing Tests。
英語での発信力を測るテストです。
入試や就活よりも、社内における海外赴任者の選考等に用いられます。
最後が、TOEIC Bridge Test。
基礎的な英語力を測るテストで、L&Rの準備運動のような位置づけです。
就活ではアピールポイントにはなりません。
テストの実施形態は、公開テストとIPテストがあります。
公開テストとは、IIBCが自ら運営・管理するTOEICテストのこと。
IPテストは、学校や企業が運営・管理するTOEICテストです。
採用の際に参考にされるのはTOEIC L&Rのスコアがほとんど。
公開テストかIPテストかはあまり問われませんが、公開テストのほうがリスニング環境は良い傾向にあります。
そのため、就活で使うならL&Rの公開テストを受けましょう。
もし国際部門で活躍したいなら、S&Wのスコアも取っておくと高評価です。
国際部門や海外赴任で期待されるSpeaking Testのスコアは170点、Writing Testのスコアは180点ですので1つの目安にしてみてください。
参考資料⇒「上場企業における英語活用実態調査 2013年」報告書|IIBC
TOEICでハイスコアを持っていることで間接的にアピールできる要素
TOEICが就活で使えるのはスコアだけではありません。
TOEIC受験の一連のプロセスで自分がどう取り組んだかをアピールするポイントになります。
まず、TOEIC対策では自分がどの分野が弱いのかを分析するのが定石。
これは、課題発見の力をアピールできるポイントです。
発見した課題を解決するには、目標の設定と戦略が必要。
具体的には、次の試験日を決めて、その日までにどのような勉強をすべきか計画を立てます。
当初の計画通りにいかない場合には計画の再調整をしましょう。
こうしたプロセスは、あなたの計画力と柔軟性をアピールするポイントになります。
また、計画に沿って実際に勉強して目標スコアを達成できれば、あなたの実行力を証明できるでしょう。
計画を立てるのが得意でも実行は苦手だという人は多いもの。
TODOリストを書き連ねるだけで何もしないのは「口先だけの人」です。
実行力があるあなたは、ビジネスで非常に大切なスキルを持っています。
課題発見から目標の設定と計画の立案、遂行、目標の達成を実際に行ったことで、あなたには課題解決力があるという証明もできます。
仕事でさまざまな困難に直面しても、問題解決に向けて主体的に動けるとアピールできるでしょう。
学歴別でTOEICスコアの評価は変わる??
就活のためのTOEICスコアで気をつけなければならないのは、平均点は学歴や理系・文系によって少しずつ違うという点。
よって、理系なのか文系なのか、学部卒なのか院卒なのかで、採用担当者が考えるスコアの期待値も少し変わります。
一般的に、大学生かより院生のほうが平均スコアは高くなります。
大学生の平均スコアが567点である一方、院生は609点です。
そのため、同じTOEIC600点でも、大学生なら「中の上」、院生なら「中の下」くらいの評価になるでしょう。
理系と文系で見ると、文系のほうが平均スコアは高くなります。
理系では500点未満の平均スコアも多く見られますが、文系の場合は積極的に600点を目指す必要があります。
文系の中でも英語や国際関係の学部・専攻だと大学3年生の平均は560点以上、4年生で580点以上です。
(参考資料)⇒TOEIC® Program DATA & ANALYSIS 2019|IIBC
就活でアピールするためには、いつまでにTOEICスコアを受けるべき?
就活でエントリーシートを提出することが多い3月に間に合うようにするには、いつからいつまでにTOEICを受験すべきでしょうか。
まず、「いつから」について。
TOEICスコア自体に有効期限はありませんので、大学1年の時のスコアでも使おうと思えば使えます。
しかし、TOEICスコアを証明する公式認定証の再発行は、2年前のテストまで。
公式認定証やそのコピーの提出が必要な場合は、大学2年以降に受けたTOEICのスコアが必要です。
次に「いつまで」ですが、デッドラインはエントリーシート提出期限の1か月前までのTOEICです。
2月はTOEICが実施されていない年が多く、実施されてもスコアが間に合わない可能性があります。
TOEICでスコアが出るのは試験日から約1か月後だからです。
エントリーシートの締め切りから逆算して1か月〜2か月前のTOEICが最後のチャンス。
3月に間に合わせるなら、大学3年生の1月のテストまでには必ずTOEICを受けましょう。
TOEICでハイスコアを持っていても、内定を獲得できない人の特徴
『TOEICでハイスコアをとったのに、内定が出ない・・・』
とても残念なことですが、TOEICスコアだけで採用が決まるわけではないという事実を忘れると、悲劇が起きます。
TOEICのスコアを上げることだけに熱心な人が陥りやすいのが、「スコアが高ければ人としても優秀」という誤解です。
現場の仕事では、語学力だけでなくチームワークや業界の知識、誠実さ、多角的な視点、良好な対人関係の構築など、必要なスキルや知識はさまざま。
TOEICスコアしかアピールポイントがないと、採用担当者は不安に感じます。
また、「ハイスコアだと思っているのは自分だけ」という可能性もあります。
外資系やグローバル企業の場合、他の就活生は700点台で勝負をかけてくるはず。
国際部門で期待される平均スコアは750点ですから、あなたのスコアが720点だとしたら高い評価にはならないでしょう。
TOEICスコアだけを頼りに就活を進めるのではなく、TOEICスコア獲得に関わるエピソードや努力、他に達成したことや他者との関わりなども意識してアピールしましょう。
まとめ
『TOEICスコアは就活にとって意味がない』と言われることがありますが、実際は多くの企業が採用の参考にしています。
他の就活生より有利に動くには、TOEICスコアの取得はマストと言っても過言ではありません。
最低でも600点、外資系や商社志望なら700点をとれるよう繰り返し受験していきましょう。
就活でTOEICスコアを利用する場合、TOEIC受験のデッドラインは3年生の1月です。